阪神・中野、初の最多安打 盗塁王に続き2度目タイトル 将来は2000安打より「阪神の仲間と優勝」

2023年10月05日 05:15

野球

阪神・中野、初の最多安打 盗塁王に続き2度目タイトル 将来は2000安打より「阪神の仲間と優勝」
<ヤ・神> ファンに手を振りながら球場を後にする中野(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4―5ヤクルト ( 2023年10月4日    神宮 )】 阪神・中野が143試合を戦い抜いて勲章をつかんだ。神宮球場と東京ドームの近隣で同時刻に始まった最終戦。164安打で並んでいたDeNA・牧とともに無安打に終わり、分け合う形で最多安打が確定した。
 「いや~。ちょっと情けないですね。最後の打席に立つ前に何とか単独で…という気持ちはあったんですけど」

 タイトルは21年盗塁王に続いて2度目。打撃部門では初めてだ。21犠打は巨人・大城卓、ヤクルト・中村と並ぶリーグ最多。最多犠打と最多安打の同時達成は16年の広島・菊池以来、2人目の快挙になった。バント、進塁打、ヒットエンドランなど多種多様な戦術を求められる2番を任され、安打数でも頂点に上り詰めたから価値も上がる。

 「WBCから始まって、ケガする人もいた中で、こうやって143試合フルイニングで出られたことは本当に自信にもなる」

 安打数以上にこだわってきたフルイニング出場も達成。昨秋にコンバートされた二塁を守り、グラウンドに立ち続けた。運動量の多い二塁手のフルイニング出場は球団では62年の鎌田実、90年の岡田彰布以来3人目だ。

 今季から打撃の状態が下降した時には必ず映像を見返し、周囲の助言をうのみにしない。まずは自ら思い描く感覚を大事にしてきた。近本には「不調の際にここだけを見ればいい」と修正ポイントを1点だけにフォーカスすることを助言され、好不調の波が少なくなったことが安定した成績につながった。

 9月14日にリーグ優勝を決めてからタイトルを意識し続けた日々が終了。「プレッシャーがあった。それから解放される。ちょっと気持ちをリフレッシュして、またクライマックスに向けて状態を上げていければいい」と次の戦いに目を向けた。(石崎 祥平)

 【記者フリートーク】優勝へとひた走っていた9月上旬、中野に「将来の目標」を聞いてみた。何歳までプレーしたいのか、シーズン200安打、通算2000安打は目指しているのか。どれも壁こそ高いものの、目指すべき価値はあるのでは…と例に出してはみたが、素っ気なかった。

 「本当に何も考えてないんですよね。現役何年やりたいとかも特にないし、結果的に2000安打とか打てればいいですけど、今は特に目標とかはない」

 その代わり…と言わんばかりに「とにかく優勝したい。WBCでもシャンパンファイトをやったけど、阪神の仲間とやるビールかけは格別だと思う」。我欲を捨てた献身の先に、最多安打のタイトルが待っていた。(阪神担当・八木 勇磨)

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