大谷とバレロ代理人へのバッシング報道に対し米記者が持論「問題はオフシーズンの仕組みそのもの」

2023年12月07日 12:11

野球

大谷とバレロ代理人へのバッシング報道に対し米記者が持論「問題はオフシーズンの仕組みそのもの」
代理人のネズ・バレロ氏 Photo By スポニチ
 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が、大谷翔平のネズ・バレロ代理人の「かん口令」でウインターミーティングが盛り上がらないとの一連のバッシング報道について、「落ち度は大谷と代理人というより、それを超えて、MLBのオフシーズンの仕組みにある」と指摘している。
 ウインターミーティングには球界関係者だけでなく、数百人のメディアが集まり、大々的に何が起きたかを報じる。球界にとって絶好の機会だ。

 ところが今回、一番大きなニュースは、アレックス・バードゥーゴのトレードだった。問題は野球のオフにはデッドラインがないこと。だから選手も代理人も、そして時には球団も、交渉の駆け引きもあって、決定を先延ばしにする。この週にまとめないといけないという義務はない。

 NFL、NBA、NHLといった他のリーグでは、サラリーキャップがあり、使えるお金が限られているために、球団は戦力的な穴を埋めるべく迅速に動く。代理人もそれに対応する。MLBにはサラリーキャップがないため、代理人は少しでもお金をたくさん引き出そうと粘る。とはいえ、ローゼンタール記者はMLBではこれまでの経緯もあり、サラリーキャップは必要ないという。それよりも取引のデッドラインを定めるべきだと主張する。

 実際MLBはこのことついて話し合ったことがあり、19年、複数年契約はウインターミーテングの最終日である水曜日をデッドラインにしてはどうかと提案した。選手組合と代理人は話し合った結果、提案を拒否。組合はFA市場に制限が付くことなら、大概は反対する。デッドラインで市場価値よりずっと低い金額を受け入れざるをえなくなる事態を危惧する。

 しかしながら、21年のシーズンオフに、それに近い状況になった。労使協定がまとまらず、オーナーたちが12月1日からロックアウトに入ると決めた時、そこが契約のデッドラインのようになった。

 そしてマックス・シャーザーが史上最高の年俸4330万ドルでメッツと契約、コーリー・シーガーとマーカス・セミエンがレンジャーズと合わせて5億ドルの大型契約で合意した。実際、良い契約が相次いだ。

 そのため、ローゼンタール記者は、例えばウィンターミーティングの終了時をトレードの締め切りとし、12月15日を全ての取引のデッドラインとし、2月1日から再開できるようにしてはどうかと提案している。こうすればウィンターミーティングがもっと盛り上がり、オフの球界のメインイベントとして全米で関心が高まれば、みんなが利益を得られる。シーズンチケットやキャラクター商品の売り上げにもつながる。オフシーズンをより魅力的なものにするために、変化を起こすべきと主張している。

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