スポニチ記録担当が泣いた笑った アレなアレレな虎データ10選
2023年12月30日 05:15
野球
岡田阪神は9月14日の巨人戦(甲子園)に勝利。05年以来6度目のセ・リーグ優勝を決めた。18年ぶりと長かった「アレ」のブランクの一方で、シーズンは月間負け越しが6月(8勝14敗1分け)だけと大崩れなく着実に勝利を重ね、まさに「アレよアレよ」と言う間のスピード決着を遂げている。
特に8月16日の優勝マジック「29」初点灯以降、9月14日の優勝決定までは22試合で17勝5敗の勝率.773。9月1日からは一気の11連勝でフィニッシュした。仮にマジック初点灯時の数字を、優勝決定までの試合数の目安としてみると、今回は“予定”の29試合より7試合速い。これは00年以降、マジック20以上を初点灯させて優勝した延べ22チーム(セ15、パ7)では、16年広島の6試合(M20→14試合でV)を上回る最速記録だった。
優勝決定日も03年の9月15日を1日更新するチーム最速。他チームと比べても、パの前期優勝を除けば90年巨人の9月8日、16年広島の9月10日に続く3番目の速さ。歓喜から一夜明けた15日、阪神百貨店梅田本店の優勝セールに記念限定グッズが間に合わなかった珍事も、想定外だった快進撃によるドタバタぶりを表していた。
【2】「アレ」が流行語大賞
今月1日、「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に岡田監督の「アレ(A.R.E.)」が選ばれた。野球関係からは21年「リアル二刀流/ショータイム」、22年「村神様」に続き3年連続。阪神関係の選出は初めて。プロ野球の優勝に関連したものでは95年オリックスの「がんばろうKOBE」、翌96年巨人の「メークドラマ」以来27年ぶりになる。
元々は優勝のプレッシャーを選手に意識させないための言い換えだったが、スローガンに採用した球団のノリの良さと、言葉としての使い勝手の良さから「アレ」は瞬く間に関西を席巻。リーグ制覇とともに日本全国にも広まった。「“コレ”だと手が届く。“アチラ”だと遠い感じがする」と岡田監督は言った。過去数年、届きそうで届かなかった頂点への距離感も的確に表現しており、共感を呼んだのだろう。
【3】関西ダービー制し38年ぶり日本一
日本シリーズはオリックスと対戦。64年阪神―南海以来59年ぶりの「関西ダービー」だった。第1戦8―0完勝、第2戦0―8完敗に始まり、第6戦まで3勝3敗。両チーム総得点も23で並ぶ、まれに見る接戦の末に、第7戦を阪神が7―1で大勝して85年以来38年ぶり2度目の日本一に輝いた。
【4】村上がMVP&新人王
前年まで未勝利の3年目村上が10勝6敗の大化け。初回失点を許さない抜群の立ち上がりで開幕から31イニング無失点のセ・リーグ記録に始まり、防御率1.75の初タイトル。史上3人目でセ初のMVP&新人王同時受賞も果たした。
【5】夏の長期ロードで歴史的快勝
8月1日から27日の期間中に10連勝と6連勝の18勝5敗で17年以来6年ぶりの勝ち越し。18勝は17年の16勝を更新。68年の15勝2敗に並ぶ長期ロード史上最多の貯金13をマーク。16日には優勝へのマジック「29」を初点灯させた。
【6】ライバル巨人を圧倒
4月27日に15―0で勝ち、巨人戦では過去2度あった13―0を超える最大得点差の無失点勝利。シーズン18勝(6敗1分け)は、過去3度あった17勝を更新。勝率.750は他球団を含めても、2リーグ制以降のカード最高勝率となった。
【7】森下が森下からサヨナラ打
ドラフト1位新人の森下が5月20日広島戦でプロ初サヨナラ打。0―0の9回2死一、二塁。森下(広)から左前適時打で決めた。阪神の打者が同姓投手からサヨナラ打は2リーグ制以降414度の劇勝のうち、今回が初めてだった。
【8】佐藤輝が新人から3年連続20本塁打
佐藤輝は9月14日の巨人戦で2戦連発となる20号。新人から3年連続20号は今季の牧(D)に次ぐプロ野球7人目で、左打者では初。18年ぶりのリーグV決定に花を添えた。
【9】史上初、選手全員平成生まれ
昨オフに昭和56年(1981年)生まれで当時41歳の糸井が退団。今季阪神の最年長は二保と西勇の、平成2年(90年)生まれの33歳だった。選手全員が平成生まれはNPB初のケース。現役最年長66歳の岡田監督の老練な采配に、若いチームが応えた。
【10】幻の「ケラー・リレー」
来日2年目救援投手K(カイル)・ケラーに加えて、先発候補でB(ブライアン)・ケラーが新加入。阪神で初の同姓助っ人同時在籍となった。ならば同姓助っ人での継投はどうか?調べるとNPB史上初。実現の日に備えたが“B”がまさかの1軍未登板で退団。幻に終わった。
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