“和田騒動”繰り返すな 人的補償「即時撤廃」訴え 2月キャンプ中該当者に聞き取り「起きるべくして…」

2024年01月24日 05:30

野球

“和田騒動”繰り返すな 人的補償「即時撤廃」訴え 2月キャンプ中該当者に聞き取り「起きるべくして…」
ソフトバンク・和田 Photo By スポニチ
 日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長(61)が23日、都内で行われた日本野球機構(NPB)との事務折衝後、FAの人的補償制度について「即時撤廃」を訴えた。
 「こうなった以上、すぐにでも人的補償は撤廃してほしい。選手会は“補償自体を撤廃してほしい”と前から言っている」

 西武からソフトバンクにFA移籍した山川の人的補償として、一部報道で和田の名前が挙がった。非公表の28人のプロテクト名簿から漏れたことが報道で公になり、ファンを巻き込み騒動となった。当該球団同士でしか名簿を把握できないため、不正行為も可能との指摘も。森事務局長は「制度的に起きるべくして起きた。“以前にも近いことがあったかもしれない”と思ってしまう。NPBも把握できていないのが問題」とした。

 人的補償の現状把握も含め、2月の春季キャンプ中に和田、甲斐野ら今回の騒動の当該選手や各球団の幹部、過去のFA制度で移籍した選手らに聞き取りを行う意向。森事務局長は「プロテクト(リスト)についてはNPBや第三者も見られたり、違反した時の罰則もあった方がいい」との考えも示した。

 選手会は長く、FA権取得期間の一律6年への短縮や、補償制度廃止などを訴えてきたが進展なし。昨年12月の定期大会で「ゼロベースで新ルールを設計したい」と新FA制度の創設へ方針転換していた。今後は29日に行われるNPBとの保留制度検討委員会で、人的補償撤廃などを訴えていく。(神田 佑)

 ▽和田の人的補償報道 ソフトバンクにFA移籍した山川の人的補償として、西武が和田獲得の方針を固めたと11日朝、一部報道。和田が28人のプロテクトリストから漏れていたことが明るみに出た。SNSなどで関連ワードが続々トレンド入りするなど騒動も、同日夕刻に西武が人的補償は甲斐野と発表。15日に自主トレを公開した和田は「自分としてはもうこの件に触れたくないのと、考えたくないのが一番の思い」と話した。

 ▽FA人的補償 国内FAは所属球団での年俸ランキング(外国人選手除く)で補償を設定。上位1~3位のAランク、4~10位のBランクは「人的補償+金銭補償」か「金銭補償のみ」を選択でき、11位以下のCランクは補償がない。人的補償は28人のプロテクト名簿以外から1人を獲得可能。人的補償選手は移籍を拒否できず、拒否した場合は資格停止選手となる。

 ≪ハラスメント防止を徹底≫日本プロ野球選手会とNPBとの事務折衝では「ハラスメント再発防止」や「2軍の新規参加」が議題に上がった。NPBは2月にキャンプ地で、ハラスメント防止に向け全選手対象の講習会を初実施する予定。森事務局長は「選手会でもいろいろ話を聞いていって、共有しながら再発防止に努めましょう、という話でした」と説明した。また選手会は、12球団による選手の肖像権管理の見直しを求めており、要望書に対する回答を受け取った。

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