巨人・阿部監督 秋広に打撃の極意伝授 両腕を動かし右足も上げるダイナミックな動きで本塁打量産

2024年02月07日 05:30

野球

巨人・阿部監督 秋広に打撃の極意伝授 両腕を動かし右足も上げるダイナミックな動きで本塁打量産
秋広に打撃の構えのアドバイスをする阿部監督(撮影・西川 祐介) Photo By スポニチ
 「慎打法」伝授だ。巨人・阿部慎之助監督(44)が6日、春季宮崎キャンプで秋広優人内野手(21)に自身の現役時代の打撃の極意を直接指導した。通算406本塁打を誇る新監督が同じ左打者として、構えた際の両腕の使い方や、右足を上げてタイミングを取るエッセンスを注入。4年目を迎える期待のスラッガーのブレークへの後押しだった。
 背番号55の背後から、声をかけた。今キャンプ初の屋外フリー打撃となった左打席の秋広に、ケージ裏で見守っていた阿部新監督が、身ぶり手ぶりを交えて助言を送った。すると身長2メートルの左打者は、その長い手足を明らかに大きく使い始めた。

 「タイミングを合わせるために、わざと動けと言った。全部動かして、打ちにいく体勢で自分で合わせてそれで動いて打ってみろと」

 そこまでの秋広は、構えた段階でグリップをトップの位置に置き、右足は小さくすり足気味に打っていた。指揮官の助言の後は、両手をやや緩ませて構え、始動しながら捕手側に大きく引き、右足も上げるダイナミックな動きに。現役時代にゆらゆらとグリップを揺らしながら、右足を上げて打っていたまさに「阿部打法」だった。

 指揮官は「ヒットを打って一塁にいても“邪魔だ”って。二塁打以上を打つつもりで打ってほしいと言った」と大きい体を最大限使っての長打を目指すフォームだと説明。フリー打撃後のロングティーでは実演しながら自身の打撃フォームを解説した。秋広が打つ間は、後ろから目を光らせ「そう!」「今の!」など、一球ずつ確かめながら熱血指導。秋広も次第に新打法を会得し、左翼席上段に設置された阿部監督らの顔写真が入った巨大な旗に当たりそうになるほどの打球を連発。「俺の顔に当てろ」と言いながらも目を丸くした。

 新監督にとっては2軍監督時代に1年目を指導した愛弟子。可能性を認めているからこそ求めるものは高い。昨オフは、表彰式や球団行事に2度も遅刻。「最初は3軍にしようかと思った。遅刻は一番、信頼を失うから」と苦言を呈しつつキャンプ1軍メンバーに入れた。目覚まし時計を購入して宮崎に乗り込むと気を引き締めた21歳も「ボールに対してバットに厚く当たっているなって感じがした。自分で考えて、いろいろすり合わせて一番いい方法が見つかれば」と最善のスイングを探していく。

 この日はティファニーがロゴを手がけたグレーの新ビジターユニホームを着用しての初練習。「ちょっと新鮮という感じはありました」。秋広が新戦闘服と新打法で、宮崎の空に希望の打球を打ち続けた。(小野寺 大)

 ≪工夫を重ねて406本塁打≫阿部監督は現役時代、バットを内側から出し左足に重心をしっかり乗せることを意識し通算2132安打、406本塁打を積み上げた。試合前には打撃マシンを相手に左打席から体の真正面となる右打席方向にファウルを打つ練習を繰り返し、試合では体が投手寄りに出されないように、ステップ幅も小さい打ち方を貫いた。状況を整理した上で長打狙いの打席と、好調時でも場面に応じてバットを短く持って打席に入るなど、最後まで工夫を重ねた。

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