ドジャース・大谷「Hey!Hey!Hey!」遠慮なき叫びに見えた勝利への執念 無安打も打率5割

2024年03月15日 01:30

野球

ドジャース・大谷「Hey!Hey!Hey!」遠慮なき叫びに見えた勝利への執念 無安打も打率5割
<ドジャース・マリナーズ>5回、三振に倒れる大谷 (撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 【オープン戦   ドジャース1-8マリナーズ ( 2024年3月13日    グレンデール )】 ドジャースの大谷翔平投手(29)が13日(日本時間14日)、アリゾナキャンプの最終日に組まれたマリナーズ戦に「2番・DH」で出場。3打数無安打も二塁走者でよそ見してけん制の気配に気づかなかったムーキー・ベッツ内野手(31)に大声で帰塁を促すなど勝利への執念を見せた。移籍1年目ながらスター選手にも遠慮せず、見据えるは世界一。チームは日本時間20、21日に開幕シリーズのパドレス戦が行われる韓国・ソウルに向かう。
 球場に大谷の声が響いた。「Hey!Hey!Hey!Hey!Hey!」。3回無死二塁の打席。1ボールとなったところで二塁走者のベッツが投手に背を向けた。完全なよそ見。相手も隙を見逃さない。大谷の強く帰塁を促す大声もむなしく、けん制死。バットを左肩に乗せたまま、渋い表情を浮かべた。

 渡韓直前、アリゾナキャンプ最終日に組まれたオープン戦。ベッツは18年にMVPに輝いた不動のリードオフマンだが、1、2番のコンビを組む者として怠慢や油断とも取れるプレーに遠慮はなかった。チームは11年連続プレーオフ進出中で昨季も100勝を挙げたが地区シリーズで3連敗を喫し敗退。00年以降で世界一はコロナ禍で短縮シーズンとなった20年だけと、ここ一番で力を発揮できていない。昨年12月の入団会見で「勝つことが僕にとって今、一番大事なこと」と語るなど常に世界一を見据える大谷の勝利への執念と集中力は、シーズン開幕が迫る中で鋭さを増している。

 打撃は3打数無安打、2三振も、オープン戦2号を放った前日に続きフルスイングでファンを沸かせた。初回は「確信歩き」をするほど手応え十分。だが最大10メートルの強風にあおられてフェンス際で失速し、右飛に倒れた。21年の過去最高のオープン戦打率・548にこそ及ばないが、現時点で打率・500、2本塁打、9打点、1盗塁。昨年9月19日に受けた右肘の手術からわずか6カ月足らずで驚異の回復力と対応能力を示す。

 キャンプ最終日ですっかり髪が伸びた大谷は、大量の段ボールに囲まれたクラブハウスで珍しくヘアバンド姿で荷物整理。最後は「お疲れしたっ!」と報道陣にあいさつして帰路に就いた。14日(日本時間15日)にチームのチャーター機で渡韓する。17、18日はそれぞれ韓国キウム、韓国代表とのエキシビションゲームを戦い、20、21日に世界が注目する2試合に臨む。

 就任9年目のデーブ・ロバーツ監督も大谷同様に勝利に飢えており「あっという間にキャンプが終わった。選手も、ソウルの人々にとっても、韓国での2試合は楽しいものになる」と言う。世界一になるために来た。だからオープン戦とはいえ、一切の妥協はしない。メジャー公式戦初開催に沸く韓国・ソウルのファンも、そんな熱い大谷を待っている。(柳原 直之)

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