阪神が今季も「四球査定」継続 岡田監督 フルカウントでの見極め重要性指示

2024年03月15日 05:15

野球

阪神が今季も「四球査定」継続 岡田監督 フルカウントでの見極め重要性指示
練習を見守る岡田監督(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 阪神が今季も「四球査定」を継続し、今後は球団スタンダードとすることを決めた。岡田彰布監督(66)の提案で四球の年俸査定ポイントを安打と同等まで引き上げた昨季は両リーグ最多494四球を取って得点力が大幅に増加。18年ぶりリーグ優勝&38年ぶり日本一の原動力となった「四球力」を武器に2リーグ制以降では球団初の連覇を見据えた。今春オープン戦は1勝9敗。きょう15日の中日3連戦(バンテリンドーム)からは攻撃のサインを入れ、開幕への準備段階を上げる。
 阪神打線の強みは今年も変わらない。四球の年俸査定ポイントを昨季と同様、安打と同等とすることが決定。四球が起点となり、四球でつなぎ、塁上を埋めていく攻撃が再び見られそうだ。
 昨季18年ぶりリーグ優勝の原動力の一つとなったのが「四球力」だった。岡田監督が四球の査定アップを球団フロントに掛け合い、承認させた。開幕前日のミーティングで選手に通達。決して「待球」が目的ではない。

 好球必打の姿勢を持ちつつ、「追い込まれても、ストライクゾーンは変わらん」と訴えた。2ストライク後に焦ってボール球に手を出さないように意識改革し、特に“振るカウント”ともいわれるフルカウントからの見極めの重要性を指示。時には「見逃し三振OK」まで出した。

 結果、494四球は12球団最多。22年から136個も増え、フルカウントからも231個を選んだ。増加分の約45%が「フルカウント」からだった。個々でも大山が59個からリーグ最多99個へ大幅増、近本は41個から67個、中野は18個から57個。狙いは的中し、巨人の約半分だったリーグ5位の84本塁打でも、同最多の555得点を挙げた。

 昨年6月4日のロッテ戦では佐々木(朗)の前に5回まで無安打9三振。6回先頭で中野が選んだ四球を起点に大山の右前打で決勝の先制点を奪った。徹底して低めを捨てた作戦で手も足も出なかった難敵を1つの四球から攻略し、大きな1勝をつかんだ。

 四球ポイントの引き上げは岡田監督の在任中の特例ではなく、今後も球団スタンダードになる方針。選手会長の中野は「選手にとっていいかどうかは人それぞれですが、四球は昨年から、みんな高い意識を持っています」と歓迎した。昨オフの契約更改では日本人選手の年俸が総額8億2440万円も増額。四球の“うまみ”は金額にも反映された。

 きょう15日の中日戦から岡田監督は今春実戦では一度も出していなかった攻撃のサインを解禁する方針。「新しいサインとか、そんなん、そんなん。ゲーム展開でな」。3・29開幕まで2週間。いよいよ本番モードを迎え、猛虎の「四球力」も仕上げに入る。 (畑野 理之)

 ○…阪神は今オープン戦10試合で31四球を選んでおり、1試合当たり3.1個は日本ハムの3.5個(11試合38四球)に次ぎ、ヤクルトの3.1個(10試合31四球)に並ぶリーグトップ。チームの個人別最多は前川の6四球で、レイエス(日)、細川(中)、ディカーソン(中)と並ぶ12球団トップ。木浪、近本、中野が3四球で続く。

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