阿部巨人 名門再生の切り札は“アベノカード” 監督方針などをまとめた小冊子で一致団結

2024年03月30日 05:35

野球

阿部巨人 名門再生の切り札は“アベノカード” 監督方針などをまとめた小冊子で一致団結
太平洋クラブの韓俊社長 Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   巨人4-0阪神 ( 2024年3月29日    東京D )】 巨人・阿部監督が自ら発案して作製し、春季キャンプ期間中に選手、スタッフらに配布した小冊子「クレドカード」。監督方針などを端的にまとめた同カードの存在も開幕戦での監督初勝利につながった。作製のきっかけは中大野球部の先輩で現在は太平洋クラブ代表取締役社長を務める韓俊(はん・しゅん)氏(58)。「名門再生」へのヒントとは――。
 経営破綻から名門ゴルフ場へと復活を遂げた太平洋クラブ。旗振り役を務めたのが韓氏だった。「依存ではなく自立」、「褒めるストローク~1%への着目~」など、経営理念、ビジョン、行動指針をまとめたカードを作製し「イズム」を浸透させることで組織が変わっていったという。

 阿部監督と親交が始まったのは22年。知人を介した食事会で初対面し、中大野球部の先輩、後輩でもあり、会話も弾んだ。カードの存在を知って感銘を受けた阿部監督は、昨年オフに2年連続で4位に低迷している伝統球団の監督に就任。「プロセスを重要視する」、「成績だけの昇降格はしない」など分かりやすい指針を、同じようにカードにまとめた。韓氏は「(方針を)まとめておく、共感する、みんなで実行していく。自分がやろうとすることのヒントになったんだろうと思います」と言う。

 リーダーは組織に属する全ての人と毎日、顔を合わせることはできない。だから組織が指針通りに動いているかを確認しながら過ごすことが大事だという。「結局はこれに基づいて日々実践するか。絵に描いた餅にしないこと」。昨年末、阿部監督と食事した際にもアドバイスを送った。

 阿部監督にとって就任1年目で、チーム4年ぶりの覇権奪回を目指すシーズン。どんなことを期待するか。「伝統をどう引き継ぐか。他の11球団とは違うものを背負わされる。表面的な順位よりも、1年が終わったときに中心選手、裏方の人までチームが成長をしているなと実感できるようにするのが一番大事。そう思えたら2年目、3年目といける」。韓氏は自身が果たしたような、「名門再生」を望んでいる。(川島 毅洋)

 ◇韓 俊(はん・しゅん)1965年(昭40)7月22日生まれの58歳。中大卒。91年にマルハン入社。21年から代表取締役北日本カンパニー社長。太平洋クラブ代表取締役社長も兼務。今春に「マルハン北日本カンパニー硬式野球部」を発足。

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