巨人・阿部監督 監督1勝「最高です。いやあ、最高です」 らしさ全開!決勝点はギャンブルスタート

2024年03月30日 05:30

野球

巨人・阿部監督 監督1勝「最高です。いやあ、最高です」 らしさ全開!決勝点はギャンブルスタート
<巨・神>勝利し、吉川尚(左)から勝利球を受け取る阿部監督(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   巨人4-0阪神 ( 2024年3月29日    東京D )】 今年はアレよりもアベだ!プロ野球は29日、セ、パ両リーグで6試合が行われて開幕した。球団創設90周年を迎えた巨人はリーグ連覇を狙う阪神に4―0で勝利。阿部慎之助新監督(45)は0―0の5回1死三塁で三塁走者にギャンブルスタートのサインを送って決勝点を奪い、監督初勝利を手にした。この日は本拠を置く東京で桜が開花。秋には4年ぶりに覇権を奪回し、大輪の花を咲かせる。
 阿部監督が三塁走者の吉川に送ったサインはバットにボールが当たった瞬間にスタートを切る「ギャンブルスタート」だった。0―0の5回1死三塁。2球目にはセーフティースクイズで揺さぶっていた打席の佐々木は4球目を遊撃方向に転がした。吉川が本塁に頭から滑り込み、今季初得点が決勝点。阿部監督は「らしい、今年最初の得点だったかなと思います」と喜んだ。

 開幕3日前にメジャー通算178本塁打を誇る新外国人のオドーアが2軍調整を拒否して退団。阿部監督の特別視しない方針でキャンプからアピールを続ける外野陣のモチベーションは上がった。ドラフト3位ルーキーの佐々木もその一人。96年の仁志敏久以来、28年ぶりとなる新人1番となった若武者は3回にバットを折りながらプロ初安打となる内野安打も放っていた。5回の“決勝打”の遊ゴロについては「当てにいったら当たらない。三振だけはしないことを考えた」と胸を張る。3番に抜てきされたベテラン・梶谷も、5回に追加点となる1号2ランで起用に応えた。

 1月31日の春季キャンプ前夜のミーティング。選手、スタッフらを前に阿部監督が口を開いた。就任直後から繰り返してきた自己犠牲の意味合いを説いた。「自己犠牲は、あくまで意識付け。それだけだと勝てない。そこははき違えないように」。そして最後に「ぜーったいに勝つ!その気持ちを持ってやってくれ」と言った。球団史上初の捕手出身監督は、自身の考えや方針を少しずつチームに浸透させていき、この日の白星へとつなげた。

 昨季に6勝18敗1分けだった宿敵からの開幕勝利。記念球を手に臨んだ勝利監督インタビューでは「最高です。いやあ、最高です」と現役時代の決めぜりふで沸かせた。球団の新人監督が阪神相手の開幕戦勝利は史上初だが「今日、勝つためだけにやっていない」と言った。昨季王者から渋い形で奪った決勝点が、阿部野球の神髄だ。(川島 毅洋)

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