ドジャース・大谷 ルース伝説の球場で伝説弾 右手一本で今季2号!量産の予カ~ン2戦連発

2024年04月07日 01:30

野球

ドジャース・大谷 ルース伝説の球場で伝説弾 右手一本で今季2号!量産の予カ~ン2戦連発
<カブス・ドジャース>5回、2ランを放つ大谷(撮影・光山 貴大)  Photo By スポニチ
 【ナ・リーグ   ドジャース7―9カブス ( 2024年4月5日    シカゴ )】 ドジャースの大谷翔平投手(29)が5日(日本時間6日)、カブス戦の5回に2試合連続となる2号2ラン。変化球を最後は右手一本で右翼ポール際に運ぶ、技ありの一発だった。ベーブ・ルースが伝説の「予告本塁打」を放ったとされる、メジャー2番目に古い敵地リグリー・フィールドでの初プレーで、伝説級の一発。日本選手最多を更新する23球場目での本塁打を含む2安打2打点と、量産態勢突入の予感を漂わせた。
 1932年。ベーブ・ルースは、中堅を指さしたと言われる。それから92年。天を指し示すように右手でバットを高々と掲げた大谷が、ルースと同じ左打席からゆっくりと走り出した。

 2―6の5回無死一塁。通算93勝の技巧派右腕ヘンドリックスの初球だった。チェンジアップにややタイミングを外されたが、体の軸をぶらさず腕だけを伸ばした。最後は右手一本で捉え、右翼ポール際への2号2ラン。「良い球を投げたが、打たれた。彼が良いスイングをした。偉大な打者とはそういうもの」と驚きの表情で立ち尽くしたヘンドリックスを横目に、左手にキスをしながら生還した。

 エンゼルス時代の19年に一度だけ遠征したが、代打待機で出番がなかったリグリー・フィールド。元祖二刀流のルースゆかりの球場でもあった。1932年のワールドシリーズ(WS)で、大病の子供のために打ったとされる150メートルの「予告本塁打」。ルースがプレーした球場で現存するのはフェンウェイ・パークと、ここリグリー・フィールドのみ。すでに2本塁打を放ったフェンウェイ・パークに続き、ルースと同じ球場で一発をマークした。

 完全復活を予感させる一日だった。初回1死では、左中間二塁打で先制点を演出。8回は大きな飛球が風に戻されて中飛となった。ミシガン湖から強い季節風が吹き「ウインディー・シティー(風の街)」と呼ばれるシカゴ。この日も秒速7メートルの強風が左翼から本塁方向へ吹いていた。この中飛は打球速度110・2マイル(約177・3キロ)、打球角度36度で、15年のスタットキャスト導入後、同じ打球は20本中18本が本塁打という打球。チームは4連勝が止まったが、デーブ・ロバーツ監督は「今日の翔平のスイングは良かった。これから絶好調の波が来る」と本塁打量産を予言した。

 メジャー7年目で自己ワーストの開幕から8試合、40打席ノーアーチから今季初の2戦連発。日本選手最多175本塁打の松井秀喜にはあと2本に迫った。元祖二刀流の記録と記憶を掘り起こす現代の二刀流。伝説の地で放った右手一本弾も、新伝説にふさわしかった。(柳原 直之)

 ▽ベーブ・ルースの予告ホームラン 1932年10月1日のカブスVSヤンキースのワールドシリーズ(WS)第3戦。37歳だったルースは前日、大病を患った少年に本塁打を打つことを約束。打席でバックスクリーンを指さして、中堅に150メートルの特大弾を放ったとされている。だが、投手だったチャーリー・ルートは真っ向から否定。投球前にルースがルートを指さして言葉を発しただけだとしている。この試合でルースは2本塁打、4打点するなど4連勝でのWS制覇に貢献した。

 ≪MLB本拠地2番目の古さ≫▽リグリー・フィールド イリノイ州シカゴにある1914年4月23日開場で、30球団の本拠地では1912年開場のレッドソックスのフェンウェイ・パークに次いで2番目に古い球場。1916年からカブスの本拠地。2020年に国定歴史建造物に指定された。外野フェンスを覆うツタが特徴で、中にボールが入り捕球できないと特別ルールで二塁打となる。1988年まで75年間はすべてデーゲームを実施。右翼107.6メートル、左翼108.2メートル、中堅121.9メートル。

 ≪23球場制覇≫大谷がリグリー・フィールド初本塁打。これで、すでに日本選手最多としている球場別では23球場目となった。移籍1号だった3日のジャイアンツ戦の本塁打で、球団別でも25球団として日本選手単独トップに立っている。また、ドジャースは敗れたものの12安打7得点し、開幕から10試合連続5得点以上をマーク。開幕から連続5得点以上のメジャー記録はルースが主力だった1932年ヤンキースの13試合で、あと3試合に迫った。

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