阪神・佐藤輝 大山のバット拝借でプロ通算70号 阪神生え抜き田淵に次ぐスピード達成

2024年04月07日 05:15

野球

阪神・佐藤輝 大山のバット拝借でプロ通算70号 阪神生え抜き田淵に次ぐスピード達成
<ヤ・神>7回、佐藤輝は勝ち越し2ランを放つ(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4-3ヤクルト ( 2024年4月6日    神宮 )】 サトテル弾で初の勝率5割だ。阪神は6日、ヤクルト戦で2―2の7回に佐藤輝明内野手(25)が今季初の2戦連発&自身初の2戦連続決勝弾となる2号2ラン。チームは今季初の2連勝、初のカード勝ち越しを決めた。4回には近本光司外野手(29)も2号ソロを記録し、チーム本塁打数は12球団最多の9本。リーグ順位も単独3位に浮上した“アーチの虎”が連覇へ向けて、さらなる上位を目指す。
 ダイヤモンドを回る佐藤輝がカッコ良すぎる。2―2の7回、中前打の前川を一塁に置いて、右中間スタンドへ2号2ラン。相手先発・吉村の初球、内寄りの真っすぐを自分のスイングで完璧に捉えた。大きな放物線から、ゆっくり歩き出す――。前日5日の延長10回のVTRを見ているような“テルアキタイム”だった。

 「いや、もう最高ですね。ちょっと遅れていたので、早めにタイミングを取っていきました。もうちょっと飛ぶかと思ったんですけど、ギリギリでした」

 手応えの割には、右翼から三塁側への逆風に押し戻されたため苦笑いしたが、それでも、ヤクルトの村上は5回に右飛に終わった上空の魔物にも打ち勝ってみせた。

 大山のおかげだ。4日のDeNA戦(京セラドーム)から打順が6番に降格するなど打撃不振からの脱出を図るため、前夜のヤクルト戦から「打ててないし、何かきっかけになれば」と4番打者のバットを拝借。すると2試合連発となった。「(この日も)大山さんのバットを借りたので」とベンチで握手を交わして、感謝した。「大山さんのバットとは、(タイプが)ほとんど一緒なんですけど。ちょっと違うだけ。長さも同じです」。何かを修正しなければいけない、新しい取り組みが必要になった…などという深い意味はない。それだけに大山先輩のもつ不思議なパワーに驚いている。神宮球場では実に昨季から年をまたいで3戦連発のおまけも付いた。

 プロ1年目から24本塁打、2年目は20本塁打、3年目は24本塁打とコンスタントに打ち続け、この日の一撃で通算70本に到達したが、2試合連続の決勝弾は初めてだった。チームに初の2連勝、初のカード勝ち越しをもたらした。そして4勝4敗で、初の勝率5割とした。

 「ここからチームも乗っていけるように。ホームランは自分の持ち味なんで、もっと打てるように頑張ります。チームの状態も上がってきたんじゃないですかね」
 打順が下がろうが、どこにいようが、打線の中心は間違いなくこの男だ。(畑野 理之)

 ○…近本と佐藤輝が本塁打を放ち、今季のチーム本塁打は12球団最多の9本となった。近本2、佐藤輝2、森下2、木浪1、小幡1、ノイジー1。昨季の84本塁打はリーグ5位だったが、今年は本塁打量産が目立つ。昨季18度だった1試合2本塁打以上は早くも今季4度目だ。開幕からの4勝も、決勝点はすべて本塁打によるもの。佐藤輝は「もっとみんなで打っていけたらいい」と話す。“アーチの虎”という新しい得点パターンで球団初のセ・リーグ連覇へと突き進む。

 ○…佐藤輝(神)が7回に決勝の2号2ラン。前日5日の1号ソロに続く決勝打で、2試合連続の勝利打点は初めて。2試合連続本塁打は8度目。プロ通算70本塁打に到達し、409試合での到達は、阪神の生え抜き選手では田淵幸一の303試合に次ぐスピード達成となった。

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