崖っぷちヒーローのソフトバンク・石塚「優勝の戦力に」 名前は「綜合警備保障の“綜”です」

2024年09月03日 06:00

野球

崖っぷちヒーローのソフトバンク・石塚「優勝の戦力に」 名前は「綜合警備保障の“綜”です」
ソフトバンク・石塚綜一郎(撮影・成瀬 徹)
 崖っぷちヒーローが奮闘中だ。育成5年目の今年7月に支配下選手登録されたソフトバンク石塚綜一郎捕手(23)が、インタビューに応じた。プロ初安打&初本塁打を放った8月21日の楽天戦を最後に出場選手登録抹消が決まっていたが、中村晃内野手(34)の発熱で急転残留。2軍では最先端マシン「iPitch(アイピッチ)」を活用し、磨いた打撃で同31日のロッテ戦では初決勝打を放った。勝負の9月、狙うのは1軍で迎える歓喜の瞬間だ。
 ――8月14日の西武戦のプロ初出場からここまで9試合出場。1軍の雰囲気とは。
 「勝つ。これにこだわり続けているのが1軍。勝つためだけにやっているのが1軍。これを感じさせてもらい、勉強しています」

 ――「綜一郎」の由来は?
 「聞いたことないです。綜合警備保障(ALSOK)で検索すれば、出てきます。その“綜”です」

 ――ここまで18打数4安打(打率・222)、1本塁打含む3打点。
 「三振(7)が多すぎなのは間違いないです。ただ、打席を重ねて割り切りや、切り替えはできるようになりました。打てなくても意地でも次につなぐ。その意識だとバットも変化球に止まったり、四死球(4死四球)も選べたりする」

 ――8月30日のロッテ戦は同郷、同学年の佐々木が先発。対戦はなかったが、試合前などに交流は?
 「特に何も…。絡みはなかったです。試合前もしゃべらずでしたね(笑い)」

 ――その翌31日の同戦でプロ初V打。初ヒーローにもなった。
 「レギュラーではないので任されたところで、結果を出そうと。その思いだけでした」

 ――今春から積極活用してきた最先端ピッチングマシン「iPitch(アイピッチ)」。効果は?
 「直球に変化球。見たことがないと思った球が、今のところありません。アウトになっても、何とか対応できそうだなという感じはあります。他の人よりも速い球を見て、難しい球をマシンですが見てきた。あとは実戦でどうかです」

 ――筑後ファーム施設でレベル1~16まで設定された“アイピッチ検定”で最高峰16をクリア。150キロ以上の直球、6種類の変化球を投げる最先端マシンから10打数3安打以上を刻んだ。次のステージは?
 「左腕バージョン。裏メニューのクリアが待っています」

 ――一塁守備も堅実。小久保監督は的確な送球を評価する。
 「一昨年から捕手だけではなく、一塁、外野に挑戦してきました。1軍でも奈良原ヘッドコーチ、本多(内野守備走塁兼作戦)コーチのおかげもあり、少しずつですが手堅く守る意識も出てきた」

 ――守備位置は山川ともかぶる。攻守で助言はもらったか?
 「打撃ではそこまで聞いてませんが、一塁手としては“ファーストは一度、守れなくなってからが本物だ”と。必死に量を守って、分からなくなってからだと聞きました。ありがたいです」

 ――優勝マジック15で9月を迎えた。勝負の秋に向けて。
 「優勝してみたい。結果を出して、優勝の戦力になりたい。何とか頑張りたいです」

 ◇石塚 綜一郎(いしづか・そういちろう)2001年(平13)6月7日生まれ、秋田県出身の23歳。岩見三内小3年で競技を始め、岩見三内中1年時は軟式野球部、同2年から「秋田南リトルシニア」でプレー。黒沢尻工に進み、3年夏に岩手大会ベスト4進出に貢献。準決勝で西舘(巨人)を擁する花巻東に敗れた。高校通算39本塁打。19年育成ドラフト1位でソフトバンクに入団。1メートル81、87キロ。右投げ右打ち。

おすすめテーマ

野球の2024年09月03日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム