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【スポニチスカウト部(29)】SUBARU・馬場翼捕手 「攻め」学び勝たせる捕手に成長

2024年09月17日 06:00

野球

【スポニチスカウト部(29)】SUBARU・馬場翼捕手 「攻め」学び勝たせる捕手に成長
チームを勝たせる捕手として、一皮むけたSUBARU・馬場(右) Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手の素顔を紹介する。第29回は社会人・SUBARUの馬場翼捕手(25)。日本航空(山梨)2年秋から「守備の要」となり、リードと強肩で勝利に導く捕手の魅力にやりがいを感じつつ、さらなる高いレベルを目指す。
 SUBARUに入社して3年目。正捕手に成長した馬場は、大胆かつ細心に打者の内角を攻める捕手としての面白さを再認識している。

 「外角一辺倒だと強打者は抑えられない。でも今年は内角に勝負にいくタイミングを1年間やってきて、ある程度やれたし、捕手としても成長できたと思う」

 走者をためた場面で制球を間違えれば、即敗戦につながる。投手陣とは、ブルペンから野手を打席に立たせて懐を攻める実戦的投球を心掛けた。遠投110メートル、二塁送球タイム平均1・9秒台の強肩も武器だ。理想は正確なスローイングとキャッチングを武器とする巨人・小林、楽天・太田という。

 日本航空2年までは外野と遊撃しか守ってこなかった。だが、新チームが発足した2年秋から捕手に転向。3年夏は山梨大会準決勝敗退も、頭角を現した。捕手として面白さを知ったのは中京学院大2年の時に、全日本大学選手権出場に貢献した時。「勝たないと評価されないポジションだけど、全国で戦えた喜びとやりがいを感じました」。1回戦で桐蔭横浜大・渡部(現西武)にソロ本塁打を浴びたが、ハイレベルな打者と戦う楽しさを肌で感じた。

 今季は2年連続で都市対抗に出場したチームを、巧みなリードで初戦突破に導いた。昨年までは大一番で痛い目に遭った馬場もビデオを見返し、ライバルチームを丸裸に。10日に行われた日本選手権関東代表決定戦の2回戦では、名門・ENEOSにタイブレークの末、0―2で惜敗も、長打は食らわなかった。「大学で一緒に野球をやっていた仲間もプロでやっていますし、僕もプロを目指してきたので」。中京学院大1学年下の西尾はソフトバンク、2学年下の赤塚は広島に入団した。ドラフト会議まで約1カ月。馬場は運命の日を静かに待つ。 (伊藤 幸男)

《名前の由来「キャプ翼」じゃないけれど…》 名前の「翼」の由来は大きく羽ばたいてほしい、との願い。父・直亮(なおあき)さん(56)も野球経験者で、当時人気絶頂だった「キャプテン翼」から取ったわけではないという。ただ小、中、大学ではいずれも主将を務めた馬場。周囲からは「キャプテン翼」と冷やかされ続けてきた。

《なぜか身近に競輪選手》 中京学院大時代の野球部の同期生、高野信元(しんげん=25)はプロの競輪選手に転身し現在、A3班で奮闘している。高野は大学3年までは投手だったが右肘を痛め、4年春に野手転向。東海地区リーグでいきなり本塁打王、打点王に輝いた。だが巨人に所属した父・忍さん(49)と同じプロ野球ではなく、異競技を選択。「4番兼エースで一番仲が良かったんですけどね」と馬場。ちなみにSUBARUの3番打者、海老根優大外野手(20)の父・恵太(47)も競輪S2班に所属。「全くの偶然なんですけど…」と笑った。

 ☆球歴 奈良・上牧(かんまき)小1年から内野で野球を始めた。上牧中―日本航空を経て、中京学院大に進学。SUBARU入社後は君島健太アナライザーに捕手の技術などを叩き込まれた。

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