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ソフトバンク“みちのくの大砲”大泉周也 広角打法で3軍脱却だ

2024年09月17日 05:25

野球

ソフトバンク“みちのくの大砲”大泉周也 広角打法で3軍脱却だ
ソフトバンク・大泉 Photo By スポニチ
 ソフトバンクの育成ドラフト1位新人、大泉周也外野手(25)は3軍戦で主に4番を任されている。BCリーグ福島で岩村明憲オーナー兼監督(45)から指導を受けた“みちのくの大砲”は、広角に打ち分ける打撃が持ち味だ。山形県出身で同じ東北人の2人の存在を励みにし、レベルアップを図っている。
 描いていた1年目の予想図とは違うのかもしれない。育成ドラフト1位で入団した大泉は、ここまで2軍では11試合の出場で本塁打なし。悔しい結果になっているが、現在の主戦場である3軍では4番に定着し、長打が増えるなど調子を上げている。「速いボールへの対応が少しずつできている」。打てると思ったボールに対して自分のスイングをすることだけ心がけている。

 苦労人だ。山形中央で高校通算53発の大砲は日本製鉄鹿島に進むも3年間で芽が出ずに退社。21年からBC福島でプレーし、ヤクルトや大リーグのレイズなどにも在籍した岩村明憲オーナー兼監督の指導を受けたことで変わった。04年の44本など、NPB通算193本塁打のスラッガーから「常に投手の足元、逆方向に」と意識づけされ、広角に打てるようになりプロへの道が開けた。春季キャンプにも訪れた“恩師”とは6月にあった交流試合で再会し「頑張れよ」と激励された。

 同じ東北人の存在が刺激になっている。秋田県出身の石塚は支配下に昇格して頭角を現している。春先はともに3軍で一緒に汗を流した。「やっぱり勝負強い。さすがだなと思います」。練習中には山形県出身の長谷川勇也R&Dスタッフと話す姿があった。今季から動作解析などの部署に異動した同氏と「いかに無駄なくボールに力を伝えられるか」という課題に取り組んでいる。長谷川氏は同じ左打ち。NPB通算1108安打を記録した同氏からアドバイスを受け、試行錯誤しながら自分の型をつくり上げている。

 大道3軍打撃コーチは「全方向に長打を打てるのが彼の強み。上にいかないといけない選手」と評価する。打つだけではなく、守備面にも進歩が見られる。高波3軍外野守備走塁コーチが買っているのは練習への姿勢だ。「ノック打ってください」と言ってくるようになったという。「自分から積極的にやっていかないと、やらされているだけではうまくならない。目に見えて良くなっている」と目を細めていた。

 2、3軍の戦いも終盤戦。結果を出し続けることは来年の支配下にもつながる。「いつ上がってもいいように」と言い聞かせながらレベルアップに努める日々を送っている。(杉浦 友樹)

 ◇大泉 周也(おおいずみ・しゅうや)1999年(平11)9月16日生まれ、山形県出身の25歳。山形中央では甲子園出場なし。日本製鉄鹿島を経て、21年からBCリーグ福島でプレー。昨年は打率.349、16本塁打で本塁打王。23年育成ドラフト1位でソフトバンクに入団。背番号123。1メートル73、89キロ。左投げ左打ち。

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