【棋聖戦】山崎八段 千日手が嫌で「気が変わった」 美学に反して予定変更も藤井棋聖にとがめられて連敗
2024年06月17日 20:28
芸能
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藤井は銀冠、山崎は木村美濃へ囲いを発展させるかと思われた36手目、38手目。突如、山崎が左桂を2段階活用して、藤井の右桂にぶつけて開戦した。
「お昼辺りに“千日手になってしまうなあ”と。自分でやってて何ですが、気が変わった」
山崎は千日手の非常に少ない棋士として知られる。過去1129局で09年10月の王位戦予選、平藤真吾六段戦の1局のみ。先手と後手が同じ指し手を繰り返し、同一局面が4回続く膠着(こうちゃく)状態に陥ると、先後を入れ替えて指し直しになる。いわば引き分け再試合を指すが、自らそれを目指すのはポリシーに反するとの山崎流の美学だった。
「力不足でまとめきれず、先行されてからは苦しかった。ずっと一手足りないと思いながら指した」
機敏に仕掛けたが45手目、歩の突き捨てからの藤井の反撃にとがめられ、形勢を損ねていった。「追い詰められてはいるが(第3局は)先手。よりしっかり準備して、作戦をまとめきっていい勝負にしたい」。向かい飛車という秘策は通じなかった。7月1日、名古屋・万松寺で指される第3局で披露する、次なる秘策を練り上げる。