藤井聡太王将を下した伊藤匠新叡王が一夜明け会見 師匠との賞金分配は「直接会って話したい(苦笑)」
2024年06月21日 10:15
芸能
「昨夜はやはり対局の後ということで、なかなか深く寝付くことはできなかったんですが、たくさんの方からお祝いの連絡をいただき、少しずつ喜びがこみ上げてきたところです」
――揮毫(きごう)の「孤髙」に込めた思いは?また通常なら「高」のところを「髙」とした意図は?
「棋士になったころからよく書いている字。意味としては自分の中でしっかりと信念を持って、ぶれずに高みを目指していくと解釈しています。髙についてはそれほど深い意味はなく、はしご高で揮毫されている棋士の方もいらっしゃる印象があって、マネをしているというところです」
――師匠(宮田利男八段)と賞金を分配する話は?
「はい、いや。そうですね。その話はしていないんですけど…う~ん、まあ…また師匠と直接会って、お話したいと思います(苦笑)」
――藤井とはこれまで2度のタイトル戦で全く勝てなかった。今シリーズで勝てた要因は?
「今回の叡王戦の挑戦が決まったのは(2月の)棋王戦で敗退した直後だったんですが、竜王戦と棋王戦でストレート負けだったので、なかなかタイトル獲得というところに意識はいっていなかった。内容としても接戦にできていない。今回は、まずは熱戦をお見せしたいという気持ちで臨んでいました」
――技術的な面では?
「自分自身としては今年に入ってから先手番で角換わりを採用することが多くなって、そのあたり少しずつ、今回の叡王戦は全局角換わりというシリーズだったんですが、少しずつその戦型に対する理解が深まっていったと感じています」
――昨日、藤井が気づいていないと振り返った受けの手順を指したが、そのあたりの意図は?
「本譜は消去法で選んだということなんですけど、ただ先手(藤井)が思いのほかはっきりと寄せに結びつける順が、その時に見つからないというのは幸運だったのかなと思います」
――初タイトルの場所となった常磐ホテルについて。
「非常に伝統的な場所で、こちらで対局できることを自分も楽しみにしていました。今回こちらでこうして結果をだすことができて、縁起の良さを感じますし、またこちらで対局できることを楽しみにしています」
――地元・山梨で将棋を愛する皆さまにメッセージを。
「今回、常磐ホテルで対局できたことを自分でもうれしく思いますし、きのうの将棋は最後まで優劣のはっきりしない熱戦を見せることができたかなと。今後もそういった将棋をお見せして、将棋界を盛り上げていきたいと感じています」
――帰りに山梨でなにをしたい?
「あまり考えていなかったんですが(笑い)山梨県は果物がおいしいという印象があり、今回も食事でそういったところを振る舞っていただいた。帰りにはおみやげに買っていきたいなと思っています」
――師匠の宮田八段から「25歳まで酒とギャンブルは厳禁」と言われているが、25歳になったら解禁したい?
「そうですね…あまり自分としては現時点ではそういったものに関心がないっていうのが正直なところ。現時点では考えていません(苦笑)」