井上あずみ 歌うの大好きどんどんいこう 11月ステージ復帰へリハビリ中 昨夏脳出血で緊急手術

2024年08月23日 05:00

芸能

井上あずみ 歌うの大好きどんどんいこう 11月ステージ復帰へリハビリ中 昨夏脳出血で緊急手術
11月の復帰ステージに向けて気合の入る井上あずみ(撮影・五島 佑一郎) Photo By スポニチ
 【だから元気!】著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回はアニメ映画「天空の城ラピュタ」の挿入歌「君をのせて」や「となりのトトロ」の「さんぽ」で知られる歌手の井上あずみさん(59)です。昨年8月、コンサートのリハーサル中に脳出血で倒れ緊急手術。左半身にまひが残る中、11月の復帰公演に向けリハビリに励んでいます。(構成・塩野 遥寿)
 昨年の8月26日、デビュー40周年記念コンサートのリハーサルの最後、ラピュタの「君をのせて」を歌っている時でした。1コーラスと2コーラスの間におしゃべりを入れていたのですが、そこでろれつが回らず「おかしいな」と思ったんです。このまま高い声を出したら「パキッ」てなっちゃいそうで、ファルセット(高い音域を出すための発声技術)で歌っていました。すると舞台袖から娘が来て「ママ、ろれつが回っていないからおかしい」って。「じゃあ、やめた方がいいかな」と、ステージにマイクを置いたところで右の頭が痛くなって倒れて、気づいた時には病院のベッドにいました。

 元々高血圧で、血圧が200まであったんです。2年前から血圧を下げる薬を飲んでいたのですが、血圧が下がるとボーッとして眠くなっちゃうんです。倒れた当時は、コンサートのために覚えることも多く忙しかったので、薬をやめていたのですが、それが原因ですね。

 倒れた後は手術をして、回復を早めるために意図的に3日間昏睡(こんすい)状態になりました。ずっと意識はなかったのですが、誰かが「この子は歌を歌うために生まれてきた子なので、絶対に治してください」と言っていたのは聞こえていました。同期の中野尚美さんがお医者さんにそう言ってくれていたみたいです(笑い)。うれしかったですね。

 意識が戻った時から左半身にまひがあって、手も足も動かない。まずは歩けるようになるためのリハビリをしていました。棒をつたって歩いたり、体幹トレーニングですね。最近はプールでのウオーキングに凝っています。水の中では体が軽いんです(笑い)。

 体のリハビリの他に、脳のトレーニングもやっています。実は視界の左半分が見えていません。目には映っているのですが、それを信号として脳が認識できていないんです。1から80までの数字を順番に線でつないでいくメニューがあるのですが、こんな簡単なことができない。数字が見当たらないんです。当初は左側に人がいても気づけなかったほどですが、トレーニングのかいもあって、今はだいぶ視界が広がりました。

 歌うこともしばらくはできませんでした。言葉は話せるのですが音程が取れない。歌を歌うって難しいことなんだなと思いました。今年2月に退院して、3月ごろからちょっとずつ音程が取れるようになってきて、現在は娘に付き合ってもらって11月の復帰公演に向けて練習中です。昔歌っていたままの声で歌えるように頑張っているのですが、それが一番難しいですね。

 やっぱり自分が歌っている歌は皆さんに愛されている作品なんだと感じます。この間もプールへウオーキングに行ったら、子供たちが「さんぽ」を大きな声で歌っていたんです。こういう歌を歌っているんだから、「このままじゃ駄目だ、もっと頑張らなきゃ」って思います。「歩こう歩こう」って歌っているのに、自分が歩けないんじゃ寂しいですからね(笑い)。倒れる前に新しくレコーディングした曲もありますし、私の歌をもっと多くの皆さんに聴いてもらうために、もっともっといろんな舞台に立ちたいですね。

 ≪11・16「アニソン文化祭」2曲披露の予定≫11月16日に川崎市の洗足学園前田ホールで「アニソン文化祭2024」に出演する。井上が倒れた昨年8月以降、既に出演が決まっていた舞台で代役として出演した歌手の松本梨香(55)や堀江美都子(67)らが登場。井上は総合司会を務め、自身も2曲披露する予定だ。このステージに立つという目標が、リハビリの大きな原動力だ。「素晴らしい先輩方が集まって、皆さんが知っている曲ばっかり歌うので、楽しみにしていただけるとうれしいです」とアピール。「歌ありダンスありで、来てくれた人たちが大きな声で大合唱できるような楽しいコンサートにしたいです」と意気込んでいる。

 ≪長女・今尾侑夕 献身的サポート≫ステージへの復帰をサポートしているのは、11月の「アニソン文化祭」にアシスタントとして参加する歌手で長女の今尾侑夕(19)だ。母の闘病中には代役としてステージにも上がった。その際は井上のCDを聴き込んで、歌い方を研究した。今では当時の音源を完全に再現しているそうで、井上は「“ママはこう歌ってたよ”と教えてもらっています」と良き練習相手になっている。「ずっとボイストレーニングもしていて、私よりも歌えますよ。舞台では私が着ていたドレスを着ていて、もう昔の私にそっくりで」と娘の成長をうれしそうに語った。

 ◇井上 あずみ(いのうえ・あずみ)1965年(昭40)2月10日生まれ、金沢市出身の59歳。83年にアイドル歌手デビュー。86年、宮崎駿監督作品「天空の城ラピュタ」挿入歌の「君をのせて」で一躍注目を集める。次作「となりのトトロ」では主題歌「となりのトトロ」とオープニング曲「さんぽ」を歌唱。以降、学校教科書掲載曲「ビリーヴ」、NHKみんなのうたテーマ曲「ハーモニー」など数多くの主題歌やイメージソングなどを担当している。

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