平和を願った西田敏行さん 演技で震災復興支えた逸話 福島・郡山市出身…テレビで絶叫「福島を返せ!」

2024年10月17日 14:00

芸能

平和を願った西田敏行さん 演技で震災復興支えた逸話 福島・郡山市出身…テレビで絶叫「福島を返せ!」
俳優の西田敏行さん Photo By スポニチ
 俳優の西田敏行さんが東京都内の自宅で死去したことが17日、分かった。76歳だった。福島・郡山市出身の西田さんは2011年の東日本大震災に関し、復興CMへの出演や東日本大震災・原子力災害伝承館のナレーションを務めるなど、復興のため奔走した。
 福島県郡山市出身の西田さん。東日本大震災が起こった翌月には、原発による風評被害に遭う地元農家のため、故郷のスーパーで現地の野菜や果物などを食べて自ら安全性をアピール。その後「美しい福島を汚したのは一体誰だ?福島を返せ!」と怒りの声を挙げた。TBS「みのもんたの朝ズバッ!」に生出演した際には「風評被害というのは、一度立っちゃうと、払拭するまでものすごい時間がかかっちゃう」と怒りをあらわにしていた。

 復興応援CMには、中畑清らとともに出演。4月4日付の朝日新聞には「我慢強い人が多い福島ですけど、今度だけは、ね。東京電力や原発を進めてきた政治家たちに怒りの声を張り上げたい」と声を挙げた。

 6月に行われた東日本大震災被災者支援発表会見にも出席し、岩手、宮城、福島3県の被災者に向けた他県への移住支援を発表。「原発はNO!」と訴え、2020年開館の東日本大震災・原子力災害伝承館の解説映像でナレーションを務めた。

 震災で未曾有の被害を受けた釜石市で遺体安置所として使われた中学校の体育館を舞台にした映画「遺体 明日への十日間」では主演を務め、東日本大震災の自衛隊災害派遣について取り扱った番組「絆~キズナノキオク~」にも出演。演技を通じて、復興への願いを訴えた。

 西田さんは1968年青年座俳優養成所に入り、1970年(昭和45年)に卒業。青年座座員となる。同年の青年座7月公演「情痴」で初舞台を踏んだ。その後は役者として不遇の日々を送るが、1976年にレギュラー出演した「いごこち満点」と「三男三女婿一匹」(共にTBS)で注目を集め、個性的なキャラクターで注目を集めた。

 また、俳優だけではなく幅広い活躍も見せた。歌手としては1981年4月に発売した「もしもピアノが弾けたなら」は大ヒット。

 さらにバラエティー番組では2001年から朝日放送テレビ「探偵!ナイトスクープ」の2代目局長に起用。2019年11月22日放送分まで、約19年間にわたりレギュラー出演した。

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