伊調馨3連覇王手 初戦で難敵破り順当に決勝進出
2012年08月09日 06:00
五輪
開始15秒すぎにタックルから背後に回り1点を先制。さらにローリングを決めて2点を追加すると、そのまま3―0でピリオドを奪った。第2ピリオドは相手タックルで1点を先制されるが、終了間際に再びタックルでテークダウンを奪ったところが2分ちょうど。同じ得点なら最後に取った方が有利となるルールで、ピリオドを失うことなく強敵を退けた。3回戦はスウェーデン選手を破り、準決勝では09年に59キロ級で世界女王になったバトチェチェグ(モンゴル)を寄せ付けず、決勝に勝ち上がった。
過去2度の五輪をともに戦った千春さんは一線を退き、たった一人の挑戦だった。北京五輪後、カナダに1年間の留学。帰国後は練習拠点を母校・中京女大(現至学館大)から都内に移した。男子レスリングの全日本合宿に自ら足を運び、技術を追求。従来のディフェンス力に加え、攻撃力もアップしたことは、準決勝までの3試合で一度も延長戦がなかったことに表れた。ロンドン入り後の4日の調整中に左膝を捻挫。体調は万全ではなかったが、女王の底力で金字塔に王手をかけた。