関西卓球アカデミー大内チーフコーチ 美誠に宿題「次は下半身」
2016年08月18日 05:30
五輪
伊藤の入学に合わせるように昇陽中に卓球部がつくられ、部員は練習の場を同アカデミーに求めた。大内さんは「卓球では暗黙の了解がある」と振り返る。「フォア打ちの練習をする時には、ミスをしないように打ち続ける」のだ。ところが、伊藤は「約束ごとを無視して自分勝手なことをする。フォア打ちから突然、バック打ちに変えたりする。相手が泣きだしたこともあった」と明かした。
自由奔放――。「仲間を大事にするし、思いやりもある」と前置きしながら、大内さんは伊藤の性格をこう表現。それが大舞台で生きた。準決勝第1試合、最終第5ゲームで9―3とリードしながら7連続でポイントを奪われ、ジュースの末に落とした。一転、3位決定戦では素晴らしい卓球を披露。「普通は立ち直れない。感性で動く。次は下半身を鍛えないと」と4年後、東京五輪への宿題も忘れなかった。
また、昇陽高の卓球部顧問・田中匠さん(64)は伊藤が帰国後、同校で朝礼形式の五輪報告会を行うこと検討していると明かした。