【岸田首相 会見全文(2)】政治とカネ…組織の長として責任を取ることにいささかの躊躇もありません

2024年08月14日 14:32

社会

【岸田首相 会見全文(2)】政治とカネ…組織の長として責任を取ることにいささかの躊躇もありません
岸田文雄首相(AP) Photo By AP
 岸田首相は14日、官邸で記者会見し、9月の自民党総裁選への不出馬を表明した。岸田内閣は秋に退陣する。会見全文は以下の通り(1から続く)
 他方で、この間、旧統一協会をめぐる問題や派閥の政治資金パーティーをめぐる政治とカネの問題など、国民の政治不信を招く事態が相次いで生じました。私としては、被害者救済法の成立や政治資金規正法の改正など、課題への対応や再発防止策を講じることが総理総裁としての私の責任であるという思いで、国民を裏切ることがないよう信念を持って臨んでまいりました。特に、政治とカネの問題をめぐっては、派閥解消、政倫審出席、パーティー券購入の公開、上限引き下げなどの判断についてご批判もいただきましたが、国民の信頼あってこその政治であり、政治改革を前に進めるとの強い思いを持って、国民の方を向いて重い決断をさせていただきました。

 残されたのは自民党トップとしての責任です。もとより、所属議員が起こした重大な事態について、組織の長として責任を取ることにいささかの躊躇(ちゅうちょ)もありません。今回の事案が発生した当初から思い定め、心に期してきたところであり、当面の外交日程にひと区切りがついたこの時点で、私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かっていきたいと考えています。

 日本が直面する内外の難局は本当に厳しい状況です。今般の総裁選挙では、われこそはと思う方は積極的に手を挙げて、真剣勝負の議論を戦わせてほしいと思っています。そして、新総裁が選ばれた後はノーサイド。主流派も反主流派もなく、新総裁の下で一致団結、政策力、実行力に基づいた真のドリームチームを作ってもらい、そして何よりも大切なことは、国民の共感を得られる政治を実現することにあります。

 それができる総裁かどうか、私自身も自分の1票をしっかり見定めて投じていきたいと思っています。もとより、私には、政治家岸田文雄として引き続き取り組まなければならない課題があります。

 30年続いたコストカット型、縮小均衡型、そしてデフレ型経済からの脱却を確かなものとするためには、新しい資本主義の下での取り組みを強化し、賃上げや投資増の流れを加速することで、GDP600兆円を確実なものとしなければなりません。原発の再稼働、新型革新炉の設置を含めたエネルギー政策についても、電力自由化が進む中でいかに電力投資資金を確保するか、電力安全保障と脱炭素化をいかに両立させるか、第7次エネルギー基本計画のもとで方向性を確かなものとしていかなければなりません。外交においては、ウクライナ侵略から3年、核による威かく、そして核使用の可能性すら指摘される中、唯一の戦争被爆国として、平和国家日本として、終結に向けてリーダーシップを発揮しなければなりません。

 そして、来年は、日韓国交正常化60年の節目の年、日韓関係の正常化を一層確かなものとしなければなりませんし、戦略的互恵関係に基づいた日中関係、そして拉致問題の解決を含む日朝関係、遠くの親戚より近くの他人というように、北東アジアの近隣外交を前に進めていかなければなりません。(会見全文3に続く)

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