順大・西沢侑真 難病とともに走る箱根路 同じ悩み抱える人たちの力に

2022年12月30日 04:41

駅伝

順大・西沢侑真 難病とともに走る箱根路 同じ悩み抱える人たちの力に
難病と向き合いながら主将としてチームをまとめる順大・西沢(左) Photo By スポニチ
 【箱根の主役へ 4】青天のへきれきだった。順大の主将を務める西沢侑真(4年)は、2年秋に血便が止まらなくなった。翌夏の検査で潰瘍性大腸炎が発覚。「一番苦しかった時期だった」。それでも腹痛や下痢、血便と闘えたのは箱根路があったから。「箱根だけは絶対に走ろうと思って壁を乗り越えてきた」。集大成の舞台がすぐそこに来ている。
 男子100メートル元日本記録保持者の桐生祥秀も闘い、安倍晋三元首相も患っていた難病だと知った。そのつらさは本人しか分からないが、西沢は言う。「原因が分からない病気なので不安を抱えている人も多い。そういう人に自分も頑張っている姿を見せたい。絶対になくなる病気ではないけど、少しでも力になりたい」。同じ悩みを抱える全ての人へ、自らの走りを通じて乗り越えられると伝えたい。

 順大が最後に優勝した07年メンバーでもある長門俊介監督(38)は、西沢のかつての面影が忘れられない。同じ順大で4年連続出場した6歳上の兄・卓弥さんの応援で家族の後ろにいただけの少年が、今度は主将として最後の舞台に挑む。「あんなに小さかった子が大きくなった」。体だけではない。病とも向き合いながら、チームをまとめ上げる姿に思わず感情が入る。3000メートル障害で東京五輪7位入賞の後輩、三浦龍司(3年)も「いつも走りで信頼できる。精神的に柱」と証言する。

 箱根路は3年連続で出場している。「(10区で)ゴールテープを切ってみたい。9、10区は自分の力を出せる。最後に笑って終わりたい」。16年ぶりの順大のVロードは、不屈の主将が締めくくる。

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