福岡第一 史上初の3冠届かず準優勝 エース轟チームトップ21得点も涙

2022年12月30日 06:00

バスケット

福岡第一 史上初の3冠届かず準優勝 エース轟チームトップ21得点も涙
<開志国際・福岡第一>準優勝の表彰を受ける福岡第一 Photo By スポニチ
 【バスケットボール全国高校選手権最終日    福岡第一71―88開志国際 ( 2022年12月29日    東京体育館 )】 福岡第一が開志国際(新潟)に敗れ、高校総体、トップリーグに続く史上初の3冠達成を逃した。第2Qの立ち上がりに5本の3点シュートを立て続けに沈められるなど守備が崩れた。エース・轟琉維(3年)はOBで日本代表・河村勇輝が背負った背番号8を受け継いで臨んだが、河村以来3年ぶりの日本一は果たせなかった。
 
 エースの轟は敗戦の瞬間をベンチから見つめた。頂点を目指した一戦で自慢の堅守が崩され、88失点。得点も思うように奪えなかった。試合後にあふれた涙は表彰式が終わっても止まらなかった。

 「個人的には前半から後半までターンオーバーが目立った。チームを良い流れに乗せられず、シュートも入らずに迷惑をかけた」

 大量失点を追いかける展開。焦りからか、いつもなら入るシュートが微妙にずれた。それでもチームトップの21得点だが「考えすぎて自分らしくない、最後まで打ち切れてないシュートがたくさんあった」と悔やんだ。

 身長は1メートル68。高さが絶対的な武器となる競技では圧倒的に不利だが、ポテンシャルとセンスがあふれる。河村を目標に福岡第一を選んだ背番号8は、鋭いドライブや高度な技術で自分よりも大きな選手を翻弄(ほんろう)。敗れはしたが、コート上では誰より大きな存在感を放った。

 ウインターカップを制した河村を超えることはできなかった。それでも井手口孝監督は「(轟は)勝ちを背負いすぎたところがあったがあのサイズであれだけのプレーをしてくれた」と評価し、「これから轟のほうがいい選手になるかもしれない」と未来の河村超えにも期待をかけた。

 轟自身も目標の河村に「3年間で少しだけ近づけたかな」とはにかむ。「大学で4年間しっかり鍛えて、プロで活躍して日本代表に入りたい」。この悔しさを胸に小さなエースが大きな夢に挑む。(村田 有子)

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