国体準V男・照英が熱く語る やり投げ北口選手、世界新も金も期待できる
2023年08月17日 05:30
陸上
やり投げはSNS映えしますよ。陸上競技界で一番きれいな筋肉のつき方をしています。彫刻のような体で漫画「北斗の拳」のキャラクターの集まりみたいな(笑い)。肩周りの広背筋が発達し、逆三角形で筋肉フェチにはたまらない…。さまざまなカラーリングのやりが回転する模様はまるで万華鏡。イケメン、イケ女も多くてキャラも立っている。ぜひ“推し”をつくってほしい。競技中の北口選手も冷静と情熱の間を楽しめているようで、可愛いですね。
さて、やりの重さは女子だと600グラム(男子は800グラム)。バスケットボールと同じくらいです。長さは2メートルほど。投てき種目で唯一、30メートルほどの助走が可能です。力がある選手が強いのではなく、走跳投、心技体がそろわないと記録は出ません。
特に助走スピードをやりの初速に伝えるリリースの瞬間は重要。野球でいうシュート回転をかけ、軽いやりを上空の風に乗せる技術も必要になります。助走を速くしすぎた場合は、体が制御しきれません。紙飛行機を遠くに飛ばすことが難しいことと同じです。急に向かい風に乗って、5メートル以上も自己ベストを一気に更新できるのも魅力。ダークホースが下馬評を覆すようなことも起こります。
そこで、北口選手。日大時代の投げ方を最初見た時、言っちゃ悪いですが…全然助走もできないし、スピードもない。力だけのパワー投げと思っていました。分かりやすい例を挙げれば、野球の中堅手による山なりのバックホームが理想の中で、捕手が盗塁を刺すような鋭い立ち投げのよう。バドミントンや水泳で培った肩の柔らかさや上半身の強さだけで投げていたのです。
ですが、今年5月のセイコー・ゴールデングランプリを現地で見た時は別格でした。昔はやりを後ろに引っ張って投げていただけが、やりを腰の位置に下げながら大きく旋回することで肩のしなりを生かした投げ方になっていました。細かった下半身も日大時代に比べて2倍くらい大きくなった印象でした。
助走が速くてうまい東欧の選手に比べれば、まだ助走が生かされていないように見えます。ですが、肩の柔らかさ、空を切り裂くアーチの描き方はピカイチ。下半身がもっと安定し、助走をもっと生かせればまだまだ絶対伸びる!
伸びしろも十分ですが、ブダペストでは日本人初の金メダル、さらに世界記録(72メートル28)更新も期待しています。いつか永遠に残る記録も残してほしい。日本人で世界記録を持っている選手はいないですから。バスケットボールの八村選手、野球の大谷選手のように、夢を与えるスポーツになる突破口に北口選手がなってほしい。もちろん、北口選手だけでなく日本選手全員を応援しています。(俳優)
◇照英(しょうえい)本名・高橋照英(たかはし・てるひで)。1974年(昭49)4月4日生まれ、埼玉県出身の49歳。鴻巣高からやり投げを始め、東海大時代の96年全日本学生選手権、ひろしま国体で準優勝。自己記録は73メートル90。世界記録98メートル48を持つヤン・ゼレズニー(チェコ)と同じ大会で対戦経験も。19年全日本マスターズ選手権(45~49歳クラス)で57メートル22で優勝。1メートル83。
《北口に死角なし》
2大会連続メダルを目指す北口は「誰が相手というより、自分の動きをしっかりできれば勝負できると思っている」と強調する。6月の日本選手権では準優勝に終わったが、その後は練習拠点のチェコに戻ってV字回復。最高峰のダイヤモンドリーグで2勝を飾り、7月のシレジア大会では自身の日本記録も4年ぶりに更新した。今月6日にドイツ・オッフェンブルクで行われた競技会でも最終6投目のビッグスローで逆転優勝するなど死角はない。
既に来夏のパリ五輪参加標準記録も突破しており、25日の決勝で表彰台に立てば五輪代表も決まる。金メダルへの期待も高まるが「メダルを獲って帰ってくるのが今年の目標。それだけを見て、着実にやっていけたら」と準備を進めている。
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