炎鵬が黒まわしで再始動「まだ体が動くのは神様が与えてくれたチャンス」首の大ケガから復帰へ決意

2023年08月29日 18:40

相撲

炎鵬が黒まわしで再始動「まだ体が動くのは神様が与えてくれたチャンス」首の大ケガから復帰へ決意
黒まわし姿で体を動かす炎鵬(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 大相撲の元幕内・炎鵬(28=宮城野部屋)が29日、東京都墨田区の宮城野部屋で稽古し、首のケガで休場が続く現在の症状や復帰への決意を語った。
 炎鵬は「頚部椎間板ヘルニア」で夏場所を途中休場。幕下に転落した名古屋場所も全休し、秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)では西幕下41枚目まで番付を落とした。この日は、幕下以下用の新調した黒まわしで登場。鉄砲やすり足などの基礎運動で体を動かした。まわしを締めて稽古場に降りるのは今月3回目で、しっかり体を動かすのはケガをした夏場所以降初めて。「まわしをつけるのが恥ずかしい。新弟子に戻ったみたい」と笑い「まだ足が出ない。四股もふらついちゃう」と感覚が戻りきっていない現状を明かした。

 休場した夏場所の途中から約2週間入院。自力で立つことも座ることもできず寝たきり状態になり、握力は10キロまで落ちた。「すぐ手術しないと体が動かなくなってしまうと言われたけど、手術したら現役復帰は0%だと言われた。(その後)手術しなくてももしかしたら良くなるという治療法が見つかった」。少しの可能性に懸け、復帰の道を探った。退院後は順調にリハビリを進め、日常生活が問題なくできるまでに回復。「まだ体が動くということは、神様が与えてくれたチャンスだと思う」。気持ちが切れることはなく、前を向いた。「どこまで(番付が)落ちても土俵には必ず戻りたいと思っています。その一心です」。強い決意がにじんだ。

 復帰時期については「先のことは分からない」としながらも「年明けには戻れたらなと思います」と目標を見定めた。秋場所、九州場所と全休なら初場所は三段目下位で復帰の場所を迎えることになる。それでも「(負傷した)箇所が箇所なだけに、次はない」と慎重な姿勢は崩さず。「(回復具合が)100%になるまでは出ないです。99%でも、その1%が怖いので」と完治を目指していく。

 兄弟子の元幕内・石浦(現・間垣親方)は同じケガで力士生命を絶たれている。その怖さは承知の上で「普通の人だったら辞めちゃうけど、それでも復帰できたという一つの挑戦。やってみないと分からないので」と自ら険しい道に進む。

 思い返せば、1メートル67、100キロの小兵の挑戦は常に不可能を可能にしてきた。「“おまえの体じゃ大相撲なんて絶対無理”と言われていたけど、ここまでやってこれたので。人間、無理なことはないと思う」。横綱・照ノ富士(31=伊勢ケ浜部屋)や幕内・宇良(31=木瀬部屋)、十両・友風(28=二所ノ関部屋)も、大ケガや病気で序二段まで落ちてから関取への劇的復活を遂げてきた。炎鵬もまた、奇跡の大復活劇へ。命懸けの挑戦がここから始まる。

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