【ラグビーW杯】リーチの不屈トライ、日本6T発進呼んだ 姫野欠場も前回大会主将がONE TEAM体現

2023年09月11日 05:20

ラグビー

【ラグビーW杯】リーチの不屈トライ、日本6T発進呼んだ 姫野欠場も前回大会主将がONE TEAM体現
<日本・チリ>後半、リーチがトライ(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビーW杯1次リーグD組   日本42-12チリ ( 2023年9月10日    トゥールーズ )】 ジョセフジャパン最後の旅が始まった。日本は1次リーグD組初戦でチリに42―12で逆転勝ちし、3大会連続で白星発進。フランカーのリーチ・マイケル(34=BL東京)を中心に計6トライを奪い、FW姫野和樹主将(29=トヨタ)が不在のピンチを乗り越えた。4トライ以上で与えられるボーナスポイントを含む勝ち点5を獲得。今大会後に退任するジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、53)は前回19年大会の8強を超える優勝を狙う。次戦は17日(日本時間18日)に強豪イングランド戦(ニース)に臨む。
 “ラグビーの街”トゥールーズで日本の勝利が決まり、ノーサイドを迎えると大きな拍手と熱狂で包まれた。「日本のサポーターもたくさんいて、勝ち切れて良かった。プレッシャーをかけられたが、80分通して点数も取れた」。リーチは日本代表として最多タイに並ぶ4度目のW杯、そしてトンプソンに並ぶW杯14試合目となった記念すべき一戦を終え、安どの表情を浮かべた。

 7月からの実戦で1勝5敗と低調で、故障者も続出。一度はW杯代表に入った3人が離脱する中、No・8で先発予定だった姫野主将まで負傷で試合直前に急きょ欠場が決定。攻守で中心を担う大黒柱が初戦で出場回避する緊急事態で、前半6分に先制トライを許し、暗雲が垂れ込めた。

 そんな嫌なムードを払拭したのが、前回まで2大会連続で主将を務めたリーチだ。「このチームにはリーダーシップのある経験豊富な選手がいる」とジョセフHC。強烈なタックルをかませば、力強く突破するボールキャリーで流れを呼び込む。攻撃のリズムをつくると、同8分にロックのファカタヴァ、同30分にWTBナイカブラのトライで逆転。主将の肩書が外れても、頼りになる男の存在感は大きかった。21―12で迎えた後半13分には自陣からのカウンター攻撃でつなぎ、リーチ自らがインゴールへ。ボーナスポイント獲得となるチーム4トライ目を挙げて、仲間に祝福された。

 主将として迎えた19年の前回大会は、不調でアイルランド戦の先発を外れるなど苦しんだ。コロナ下の20年には両股関節や両足首など、計6カ所を手術。21年秋に代表復帰したが、精彩を欠き、ジョセフHCからは叱責(しっせき)を受けた。「引退も考えた」というほど苦悩した。それでも地道にトレーニングを重ねて感覚を取り戻すと、昨秋の代表戦は強化試合とテストマッチを含む全6試合に先発出場。復活を果たし、W杯に合わせてきた。

 前回19年大会の8強入りから4年。今大会は優勝を目標に掲げている。次戦の相手は強豪イングランド。ジョセフHCが「(次戦も)自分たちの試合をやっていく」と話せば、リーチは「我々はチャレンジャー。次の大一番に向けていい準備をして頑張りたい」と言って表情を引き締めた。

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