ウクライナ出身・安青錦の“恩人”山中新大さん「つらい思いも知っているので…」序ノ口V見届け感慨

2023年11月25日 06:16

相撲

ウクライナ出身・安青錦の“恩人”山中新大さん「つらい思いも知っているので…」序ノ口V見届け感慨
二十城を寄り切りで序の口優勝を決めた安青錦(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【大相撲九州場所13日目 ( 2023年11月24日    福岡国際センター )】 今場所から序ノ口の番付にしこ名が載ったウクライナ出身の安青錦(19=安治川部屋)が、序二段・二十城(38=山響部屋)を破って7戦全勝優勝を決めた。
 ウクライナでアマチュア相撲選手として欧州選手権で優勝するなど実績を積んでいた安青錦は、昨年4月に来日。故郷がロシアによる軍事侵攻を受けて練習拠点や安全に生活できる環境を失い、1人の日本人の友人を頼って避難して来た。助けを求めたのは、19年に大阪で開かれた世界選手権の時に知り合った関大相撲部(当時)の山中新大さん。山中さんの家族はホームステイを受け入れ、一緒に暮らしてともに関大相撲部などで稽古に励んだ。

 安青錦は「いっぱい助けてもらった」と山中さんに感謝。「名前をもらっていい?」と本人の了承を得て、しこ名の下の名は「新大(あらた)」にした。

 この日、山中さんは家族とともに福岡国際センターへ応援に駆けつけた。本場所の土俵に上がる安青錦を現地で見るのは初めて。戦禍に苦しむ青年を救った“恩人”は「彼のつらい思いとかも知っているので、ずっと憧れていた大相撲の世界でデビューできたのを見られてうれしい」と感慨深く話した。


 ◇安青錦 新大(あおにしき・あらた)本名=ダニーロ・ヤブグシシン。2004年(平16)3月23日生まれ、ウクライナ・ビンニツァ出身の19歳。幼少期から相撲、柔道、レスリングに取り組む。19年世界ジュニア相撲選手権大会中量級(100キロ未満)3位。21年欧州相撲選手権100キロ未満級優勝。22年4月に来日し、関大相撲部で稽古。22年12月、安治川部屋に入門。1メートル80、125キロ。しこ名の下の名「新大」は、日本で一緒に生活した当時関大相撲部主将の山中新大さんから。

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