【高校ラグビー】2度目の花園も零敗の飯田OIDE長姫 日替わり主将・吉田「みんなが引っ張る気持ちを」

2023年12月29日 05:10

ラグビー

【高校ラグビー】2度目の花園も零敗の飯田OIDE長姫 日替わり主将・吉田「みんなが引っ張る気持ちを」
前半、タックルを振り切って突破する飯田OIDE長姫・吉田(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【全国高校ラグビー1回戦   飯田OIDE長姫0―75高川学園 ( 2023年12月28日    花園ラグビー場 )】 57大会ぶりの出場となった飯田OIDE長姫(長野)は初出場の高川学園(山口)に0―75で大敗し、1回戦で姿を消した。フィジカルの差を見せつけられて11トライを奪われ、攻めてもミスが多く無得点。初出場だった飯田長姫時代の46回大会(1966年度)でも鹿児島玉龍に0―12で初戦敗退しており、2回目の出場でも花園初得点と初勝利はならなかった。
 後半は一方的な展開になった。高川学園の留学生ロック、マヘ・シオネや高校日本代表候補FB大嶋柚に何度も突破を許し、WTB野村には縦横無尽に走られた。前半こそ必死のタックルで大きな相手を止め続けた飯田OIDE長姫フィフティーンは、ノーサイドでほぼ全員が涙を流した。涙も出ない大敗ではなく、練習してきたことを出せなかった悔しさがあふれ出た。

 「半世紀ぶりに全国に出てきて感じたのは簡単ではないということ」。18年の就任時はわずか部員7人のチームを花園へ導いた中村光希監督は、痛感したように話した。序盤はCTB野牧やフッカー吉田の突進でチャンスをつくったが、ノックオンや反則、ミスの連続で流れを手放し無得点。県予選では相手裏を狙うキックがさえていた2年生SO後藤は「蹴りたいところに相手がいて蹴ることができなかった」と目を真っ赤にして説明した。

 選手たちに自主性を促すために今季導入された「日替わり主将」を務めたのは吉田だった。指名ではなく、前日のミーティングで自ら手を挙げた。「まさか挙げるとは思わなかった。主将をやるような性格じゃない」。中村監督も驚く立候補だったが、吉田は「こっち(関西)に来てから最後は自分がやろうと決めていた。やってよかった」。涙をあふれさせながら取材に応じる“主将”の横で、中村監督は「無口でシャイだった子が体も大きくなって。凄く成長してくれているのかな」と感激していた。

 聖地での厳しくも貴重な経験を経て、新チームは1月13日が初戦の県新人大会に臨む。「ウチはここからがスタートと思う」と中村監督は強調した。「一人に任せるのではなく、みんなが“自分が引っ張っていく”という気持ちを持ってほしい」。吉田の願いに、確実に一歩前進したチームの姿が表れていた。

 ≪県内4校中3校が初出場で零敗≫全国高校ラグビー大会に出場経験がある県内4校のうち、岡谷工を除く3校が初出場で零敗を喫している。飯田(飯田高松)と下伊那農は2回目の出場では得点を挙げたが、飯田OIDE長姫は2戦連続零敗。75失点は歴代ワースト5位。最多は97回大会の飯田で桐蔭学園(神奈川)に120失点を喫した。

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