尊富士 大輪の花咲かせた「3年先の稽古」日大・石前コーチが語る「強さの秘密」

2024年03月25日 05:30

相撲

尊富士 大輪の花咲かせた「3年先の稽古」日大・石前コーチが語る「強さの秘密」
オープンカーに乗ってパレードに出発する尊富士(左は錦富士)(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【大相撲春場所千秋楽 ( 2024年3月24日    エディオンアリーナ大阪 )】 幕内優勝を果たした学生相撲出身力士11人の中で、個人での全国タイトルも付け出し資格も持っていないのは尊富士が初めて。「無冠」の選手がなぜ歴史的偉業を成し遂げられたのか。日大相撲部コーチの石前(こくまえ)辰徳氏(42)が、その強さの秘密を語った。
 尊富士は大学1年時からレギュラー入りする実力は持っていたが、個人タイトルとは無縁だった。同期の川副圭太(現三段目・輝鵬)が入学直後の新人戦優勝を皮切りに華々しく活躍する一方で「強いけど日の目を浴びていない選手だった」という。十分に活躍できなかった大きな原因は、両膝の大ケガ。高校2年の5月に左膝前十字じん帯を断裂し、手術後は「自分の足じゃなくなったみたい」と話していたという。

 大学2年の11月には右膝も負傷。自身の感覚を大事にするため今度は手術せず、膝周りを徹底的に鍛えて筋肉で補強する保存療法を選択した。「川副は良いライバルで互いに負けず嫌い。“あいつがやるなら俺も”と狂ったようにトレーニングしていた」と述懐した。試合に全く出られなかった1年間、腐らずにトレーニングを続けた結果「両膝ともサポーターも着けないからびっくりする」と驚かれるほどに完治。地道な“3年先の稽古”がプロ入り後に大輪の花を咲かせた。

 今場所優勝を争った大の里は高校時代からのライバルで、尊富士とは対照的にアマチュア横綱など大学で計13個ものタイトルを獲得してきたエリート。「大学相撲も弱くないということですね」と石前氏。無冠でも幕内優勝できると証明した教え子を、誇らしげに称えた。

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