尊富士が明かした歴史的優勝の裏側「急に歩けるように…自分でも怖かった」横綱の言葉で“覚醒”

2024年03月25日 12:21

相撲

尊富士が明かした歴史的優勝の裏側「急に歩けるように…自分でも怖かった」横綱の言葉で“覚醒”
<尊富士・一夜明け会見>本紙を手に笑顔の尊富士 (撮影・亀井 直樹) Photo By スポニチ
 大相撲春場所で、初土俵から所要10場所目での史上最速、新入幕としては110年ぶりの歴史的優勝を果たした尊富士(24=伊勢ケ浜部屋)が千秋楽から一夜明けた25日、大阪市東成区の宿舎近くにある東小橋会館で会見を行った。
 激闘の15日間を終えて眠りに就いたのはこの日の朝5時。「数時間しか寝てないけど、場所中よりもよく眠れたかな」。時間は短くても、歴史的偉業が懸かった重圧から解放されてしっかり体を休められたようだ。

 14日目に右足首じん帯損傷のケガを負い、千秋楽は強行出場。その決断に至るまでに、部屋の横綱・照ノ富士(32)から不思議な力をもらっていたことを明かした。救急搬送されて宿舎へ戻った夜「人の肩を使わないと歩けなくて、正直諦めていた」という。そこへやって来た横綱から「おまえならやれる。記録はいいから記憶に残せ。最後まで出ることがいいんだ。負けてもいいからこのチャンスはもう戻ってこない」と諭された。

 すると「言われた瞬間スイッチが変わってしまって、急に自分の足で歩けるようになったんです。周りからも“大丈夫か?”みたいに驚かれて、第二の自分がいるみたいに…自分でも怖かったです」。横綱の言葉は、どんな薬や治療よりも効いたようだ。

 千秋楽の夜に部屋へ戻ると、尊敬してやまない横綱から「俺の9回よりおまえの優勝の方がうれしかった」という言葉を受けた。「それが一番うれしかった。横綱に少しでも恩返しできたなと初めて思いました」。照ノ富士に憧れて伊勢ケ浜部屋の門を叩いてからわずか1年半、最高の恩返しを果たした。

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