×

阪神・前川に守備でも成長期待 9回を守る姿を、最後まで出続ける姿を、みんな見たいと思っている

2023年07月02日 08:00

野球

阪神・前川に守備でも成長期待 9回を守る姿を、最後まで出続ける姿を、みんな見たいと思っている
9回、四球を選んだ前川は代走を送られてベンチに下がる(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神3ー0巨人 ( 2023年7月1日    東京D )】 【畑野理之の談々畑】やっぱり交代したか…。9回、阪神はシェルドン・ノイジーの適時二塁打で2―0とリードを広げて、なおも2死二塁で前川右京が打席へ。四球を選ぶと、代走・島田海吏を送られてベンチへ下がった。9回裏は島田がそのまま右翼に就いた。
 ノイジーは代走を送られず9回裏も左翼を守ったことと比較しても、前川がまだまだ守備の信頼を得られていないのが分かる。チームの勝利の確率を高めるために途中交代させられたのだ。

 もちろん前川はこのポジションに満足していないし、打つだけの選手でいいとも思っていない。今春キャンプ直前の右上肢のコンディショニング不良などで送球がまだ完璧ではない中で、試合前の練習では肩肘に負担がかからないように送球練習を繰り返している。他選手よりもノックを多く受けている。

 岡田彰布監督は基本的には大山悠輔に代走や守備固めを送らない。チームの中心選手はフル出場するもの、という考えがある。前川の目指すところも、そこなのだ。

 その思いを強くしたであろうシーンがあった。6月29日の中日戦で初めて勝っているゲームの9回を守った。勝利の儀式に大はしゃぎで加わり、チームメートとハイタッチした。「うれしかったですし、いいものだとも思いました。何回も…というか、今はまだ少しでも長く試合に出続けられるように頑張るだけです」。その試合は8―0と大差がついていたためだが、最後まで出続けることの充実感を知った。交流戦ではDH出場が多い上、外野を守ってもいつも途中交代していたが、ゲームセットの瞬間を初めてグラウンドで迎え、目標ができた。

 フルスイングの打撃は誰もが期待するところ。6月30日の初戦で戸郷翔征から2安打。DeNAのトレバー・バウアーや中日の高橋宏斗ら各球団のエース級を打ち、6月29日の中日戦では相手先発が左投手(松葉貴大)の時に初めてスタメン起用された。

 この日の9回も、巨人ベンチは右投げの菊地大稀から左の横川凱にスイッチしてきたが、ベンチに何人も残っていた右打者の代打は送られなかった。打つことに関しては、もう左投手だからスタメンから外れる、代打を送られる、ということはないのかもしれない。

 競ったゲームでも9回を守りたい。レギュラーを獲りたい。20歳の成長を、みんなが楽しみにしている。

おすすめテーマ

野球の2023年07月02日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム