阪神 ドラ1候補に「薩摩のロマン砲」 大山の“後継者”にピッタリの逸材 ダイヤの原石を調査中

2023年07月04日 04:00

野球

阪神 ドラ1候補に「薩摩のロマン砲」 大山の“後継者”にピッタリの逸材 ダイヤの原石を調査中
鹿児島城西の明瀬
 阪神が今秋のドラフト上位候補として鹿児島城西・明瀬(みょうせ)諒介内野手(3年)をリストアップしていることが分かった。「高校通算50本塁打以上」を誇る右の強打者。右翼から左翼へ強く吹く甲子園球場の「浜風」が不利とならない右打者は毎年のように掲げる補強ポイントで、「薩摩のロマン砲」に大山の“後継者”として熱視線を向けた。
 1メートル83、90キロの恵まれた体が生み出す豪快なスイングと飛距離は、高校生のレベルを超えている。鹿児島城西の明瀬は、公式戦でも練習試合でも柵越えを連発するあまり、正確な本塁打数は不明。同校の野球部関係者が「50本を超えたこの春から数えるのをやめたようだ」と語るほどだ。

 天性のスラッガーは、阪神の球団関係者が「井上、前川を獲ったように、近年は高校生の強打者を育てる方針がある」と明かすドラフト戦略に合致。さらに、お膝元の大阪府堺市出身で、“虎の恋人”にふさわしいダイヤの原石と言える。

 高校から関西を離れて鹿児島へ。南海(ダイエー)、西武、そして99~00年には阪神に在籍して通算1599安打を放った佐々木誠監督から指導を受ける。そこで長打力が磨かれた。木製バットで両翼100メートルの練習場のフェンスを軽々と越す。投げても最速152キロ。投手以外では一塁を守ることが多いものの、肩の強さを買って、三塁手候補として熱心に見ている球団は多い。

 阪神は、畑山俊二統括スカウトが5月に智弁和歌山との練習試合を視察した。指名への発言力がある上層部の動きの早さから、本気度が伝わる。九州地区の素材を発掘する前田忠節スカウトは定期的にチェックを重ねてきた上で「遠くへ飛ばす能力は高校生の中で抜けている。打った瞬間という当たりを何本も見てきた。中堅、右中間へ放り込めるのも魅力。粗削りという声があるかもしれないが、試合中の修正能力が高く、変化球で凡退した次の打席にその変化球を振っていけるセンスがある」と非凡な能力を認めた。

 今年のドラフト戦線は、左の強打者こそENEOS・度会隆輝、花巻東・佐々木麟太郎、広陵・真鍋慧の名前が挙がる一方、右打者は希少。現4番の大山は今年12月で29歳を迎え、球団としては次世代の「右の長距離砲」の育成が急務で、数年後の“後継者”としてピッタリの逸材だ。他球団の動向次第では、1位指名の可能性がある。

 第2シードで迎える今夏の鹿児島県大会は雨で順延が続き、きょう4日に加治木工との初戦を迎える予定だ。同校の夏初出場に導けば、桜島のマグマのようなパワーを秘める「薩摩のロマン砲」が、全国から脚光を浴びることは間違いない。

 ◇明瀬 諒介(みょうせ・りょうすけ)2005年(平17)8月25日生まれ、大阪府堺市出身の17歳。日置荘西小4年からソフトボールを始める。日置荘中では、元近鉄の小川亨氏が監督を務める「大阪狭山シニア」に所属し、内野手と捕手を務める。鹿児島城西高1年からベンチ入り。1年秋と3年春の九州大会に出場。憧れの選手はオリックス・森。1メートル83、90キロ。右投げ右打ち。

 ▽鹿児島城西(かごしまじょうせい) 鹿児島県中央部の日置市にあり、創立は1927年(昭2)。鹿児島和洋裁縫女学校を前身とした私立校。79年に現校名。野球部は52年創部。甲子園出場は新型コロナの影響で中止になった20年選抜の1度。野球部OBは細山田武史(DeNA、ソフトバンク)ら。サッカー部OBに大迫勇也(現J1神戸)。

《昨年ドラフトは右打ちの高校生・浅野を1位指名》
 ○…阪神は昨年のドラフトでも右打ちの高校生野手・浅野翔吾(高松商)を1位指名し、巨人との競合抽選に敗れて獲得には至らなかった。阪神が右打ちの高校生野手をドラフト1位で獲得すれば、06年高校生ドラフトの野原将志(長崎日大)以来。同年は同じ右打ちの高校生野手・堂上直倫(愛工大名電→中日)の3球団競合抽選に敗れての外れ1位指名。分離ドラフト以外では97年に中谷仁(智弁和歌山、捕手)を単独指名で獲得して以来になる。

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