広島・新井監督、連勝でCSファイナルS進出決定！「カープにとって特別な日」48年前の初優勝と同じ日に

2023年10月16日 05:45

野球

広島・新井監督、連勝でCSファイナルS進出決定！「カープにとって特別な日」48年前の初優勝と同じ日に — ＜広・De＞試合後、声援に応える新井監督（撮影・島崎忠彦） Photo By スポニチ

【セCSファーストS第2戦広島4ー2DeNA （ 2023年10月15日マツダ）】「2023 JERA クライマックスシリーズ（CS）セ」は15日、3試合制のファーストステージ（S）で2位の広島が3位のDeNAを4―2で下して2連勝を飾り、ファイナルS進出を決めた。同点の8回に代打・田中広輔内野手（34）が右前決勝打を放つなど、連日にわたる新井貴浩監督（46）の好采配にナインが一丸で応えた。5年ぶりの日本シリーズ進出を目指し、18日からの甲子園決戦でリーグ覇者の阪神と対戦する。

　真っ赤な本拠地がまた熱狂に包まれた。同点の8回無死満塁。代打・田中が決勝打を右前へ運ぶと、新井監督は声を張り上げて拍手し、右手拳を突き上げた。48年前の初優勝と同じ10月15日に決めたCSファーストS突破。破顔一笑だった。

　「カープにとって特別な日に、ファイナル進出を決められてうれしい。（リーグ3連覇に貢献した）広輔の経験値かな。一振りでよく決めてくれた」

　新井劇場は連日の盛況だった。第1戦で披露した、緻密で攻める采配が第2戦でも的中する。攻撃での見せ場は西川だ。初回に先制弾を放った3番打者が成功させた2度の犠打。8回無死一、二塁では敵の野選を誘い、田中のV打を呼んだ。

　「イニングが進んでいたし、どうしても追加点が欲しいところ。だから、龍馬に」

　好投の先発・森下を代えた判断も特筆ものだ。1―0の6回1死三塁で大道を投入。24歳は期待に応え、大田を147キロの内角直球で二飛に仕留め、4番・牧もボール球の150キロ外角高め直球を振らせて右飛に斬った。

　「大道の最大の長所は腕を振る強い直球。あのケースは、三振もしくは差し込んでくれっていう気持ち。見事に応えてくれた」

　現役だった17年の苦い記憶が脳裏に刻まれる。独走でリーグ2連覇を飾りながら、ラミレス監督率いるDeNAに敗れたCSファイナルS。積極的な継投に幻惑された体験から「短期決戦には短期決戦の戦い方がある」と悟り、先手先手の攻める采配に生かした。

　「甲子園では、今年のスローガンでもあるがむしゃらに、高校球児のように戦いたい。超満員のマツダスタジアムでまた野球ができるように頑張ります」

　試合後のセレモニー。新井監督は真っ赤な大観衆にそう誓った。ミスを恐れない選手の全力プレーは、厚い信頼で結ばれているからこそ采配的中となって実を結ぶ。球児よろしく一戦必勝。いざ下克上へ、指揮官の攻めるタクトに注目だ。（江尾　卓也）

　○…広島が連勝で13年以来2度目のファーストS突破。セ2位チームのCSファーストS突破は15年の巨人以来延べ7チーム目。そのうち無敗は14年阪神（1勝1分け）以来3チーム目で、無傷の2連勝はセCS第1回の07年中日以来16年ぶり2チーム目となった。なお、前記の阪神、中日は、ともにファイナルSで巨人を下し、シリーズに駒を進めたが、広島も続けるか。