阪神CS突破、決めたのは坂本!6回に執念右前決勝打「いいところに飛んだ」鉄壁投手陣もけん引の大活躍

2023年10月21日 05:15

野球

阪神CS突破、決めたのは坂本!6回に執念右前決勝打「いいところに飛んだ」鉄壁投手陣もけん引の大活躍
<広・神(3)>4回に適時打を放ち、ベンチへ向かってポーズする阪神・坂本(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【セCSファイナルS第3戦   阪神4ー2広島 ( 2023年10月20日    甲子園 )】 普段は黒子の坂本が主役になった。同点を許した直後の6回2死一、二塁で執念で右前へ。2打席連続の勝ち越し打が3連勝突破を決める決勝打になり、「(打撃が)全然ダメで開き直った。いいところに飛んだ」と喜んだ。
 4回2死一、三塁でも左前へ。「後ろの聖也(木浪)が打っている。相手も回したくないというのもあるだろうし、ストライクゾーンで勝負してくると予測はつく」。沸き上がるベンチの仲間を指さし、一塁へと懸けた。殊勲の計2打点だ。第1戦は5回に死球から決勝生還し、第2戦の9回は木浪のサヨナラ打につなげる四球。3試合を通じて、ことごとく分岐点に顔を出した。

 「3試合とも、一つ間違えば逆の展開も有り得た。こういう試合で勝ち切れるのはチームとして大事なこと。自信にもなった」

 今季の貢献度は計り知れない。8月13日に梅野が骨折で離脱し、翌日から今回のファイルS3試合を含めて38試合に先発。巧みなリードで投手陣を引っ張り、25勝12敗1分、勝率.658の驚異的な数字を誇る。頭と感性をフル回転させてマスクをかぶった。

 「早く点を取られてほしい。そう言ったら不謹慎ですかね?」
 今季序盤、そうつぶやいた。当時、村上が31イニングまで伸びることになる開幕からの連続無失点を継続中で、大竹も連戦連勝。2人の専属と化していた女房役の「打たれてもいい」発言は、もちろん本心ではない。「打たれたところを見ないと打者の本当の反応が分からない」。先々の戦いを見越し「この打者はここがツボ」というサンプルを集めたかった。

 全ては短期決戦を勝ち抜くため。過去のCSは梅野のレギュラーシーズンの配球を頭に叩き込み、逆手に取った。前半戦から出場機会に恵まれた今年は時に餌をまいた。

 「大事なところで抑えるためには、打たれてもいいところは打たせた方がいい」

 ベンチに戻れば、手帳型のメモ帳に対戦相手の弱点を書き込んだ。用紙を1枚ごと挟むタイプで、手帳の厚みは試合を重ねるごとに増した。1年間の「知の蓄積」をよりどころにして広島を迎え撃ち、ファイナルS3試合は計4失点の投手陣をけん引。MVPは木浪に譲っても、坂本を抜きに3連勝はなかった。(八木 勇磨)

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