低迷エンゼルスを救えるか 奥田通信員が語る新監督ロン・ワシントンという男

2023年11月09日 23:03

野球

低迷エンゼルスを救えるか 奥田通信員が語る新監督ロン・ワシントンという男
ブレーブスのコーチ時代のロン・ワシントン氏 Photo By スポニチ
 エンゼルスは8日(日本時間9日)、新監督にロン・ワシントン氏(71)が就任すると発表した。契約は2年。ワシントン氏は07年からレンジャーズを指揮し、10、11年には2年連続でチームをワールドシリーズ進出に導いた。14年のシーズン終盤に辞任するまで監督通算664勝611敗。今季まではブレーブスでコーチを務めていた。ワシントン氏のレンジャーズ監督時代などに取材経験のある奥田秀樹通信員(60)が当時を振り返った。
 監督の仕事は選手の力を最大限に引き出すことだ。筆者が取材したレンジャーズ時代のロン・ワシントン監督は、上から目線で高圧的な態度を取ったりはしなかった。対等な立場で信頼関係を築こうとしていた。

 ダルビッシュのメジャー1年目の12年。期待は大きかったが、8月6日終了時点で防御率4・57と成績は安定していなかった。監督は6月に続き、8月に2度、ダルビッシュと個別に話し合いの機会を持ったと明かした。そして8月12日の試合以降は5勝1敗、防御率2・35とピッチング内容が良くなった。

 「2人で話した時に、彼の心に響く言葉があったのかもしれない。私にとっても、彼にとっても互いを学びあう良い機会。彼も少しずつ私に対して心を開いてくれているように感じている。結果がついてこないと否定的なことばかり言う人がいるが、私は悪いことの中にも必ず良いことがあると信じていた」と説明した。

 その後のアスレチックスやブレーブスのコーチ時代は、内野守備担当で試合開始4時間ほど前に、まだ誰もいないグラウンドで、セミエンやアルビーズといった内野手と、マンツーマンで延々と基礎練習をする姿を幾度となく見かけた。その熱血コーチぶりは名著「マネーボール」でも紹介されているほどだ。

 ワシントン氏を慕う選手は多い。05年8月に米南東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」で自宅が崩壊した時、アスレチックスの選手や、すでにア軍からヤンキースに移籍していたジアンビーが修復費用を出し合ったエピソードもある。

 71歳となったが、老けているようには感じない。2年前のワールドシリーズで再会した時、45歳も年下のアルビーズと一緒だったが、相変わらずエネルギッシュで陽気な語り口で、2人が親しい友達のように見えた。

 エンゼルスのペリー・ミナシアンGMはブレーブスのGM補佐だった時から、ワシントン氏のことをよく知っている。若手が多い同球団の指揮官に是非、と考えたのだろう。

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