番記者が迫る大谷の行く末 メディアが殺到するWM中の米国横断面談は狙い通り?各球団施設の訪問容易に

2023年12月05日 22:00

野球

番記者が迫る大谷の行く末 メディアが殺到するWM中の米国横断面談は狙い通り?各球団施設の訪問容易に
大谷翔平 Photo By スポニチ
 “大谷らしい”動きだ、と感じた。テネシー州ナッシュビルで開催されたウインターミーティング(WM)開幕前日と初日に情報が駆け巡った。米メディアや球団関係者によれば、エンゼルスからFAの大谷は2日(日本時間3日)にサンフランシスコでジャイアンツと面談。そして、4日(同5日)にはブルージェイズのキャンプ地フロリダ州ダンイーデンを訪れてブ軍関係者と面談したという。
 言わずもがな今オフの移籍市場で最大の目玉。WMの会場となる豪華ホテルには日米のテレビ、新聞、ネットメディアの各社が大挙して詰めかけ、各球団や代理人の動きを日夜絶え間なく報じている。ただ、逆を言えば、各球団の本拠地や周辺施設はいわば“もぬけの殻”。大谷側にとっては、いつもよりメディアの目をくぐり抜けやすく、各球団施設を訪れることが可能となっていた。

 日本ハム時代の13年冬から“大谷番”を務め10年。取材メモを振り返ると過去にも似たような出来事があった。それは日本ハム時代の15年1月8日。新年初ブルペンの時期が注目される中、大谷は報道陣に「ブルペン入りはいつにするか決めていません」と話した。だが、打撃練習を終えて合宿所に戻った約1時間後に再び室内練習場に姿を現し、ブルペン投球を始めた。

 この日は前年秋にドラフト1位指名された有原(現ソフトバンク)ら新人7選手の入寮日。大谷のブルペン入りは、室内練習場の様子が見えないグラウンドで多くのメディアが新人選手を待ち構えているタイミングだった。同日はスポニチを含む多くの担当記者が「1人体制」だったため、大谷の新年初ブルペンの取材を逃す結果に。練習を見られることが苦手だった当時の大谷からしてみれば、狙い通りメディアを撒くことに成功した。「このタイミングを狙ってブルペンに入りましたね」と他社の記者と笑い合ったことを覚えている。取材メモにこそ残っていないが、その後も何度か同じような出来事があった。

 今回、大谷は8月9日からメディア対応は一切行っておらず、11月16日のMVP受賞後の会見も諸事情でキャンセル。代理人のネズ・バレロ氏は“雲隠れ”を決め込んだか、11月のGM会議に姿を現さず、今回のWM会場にも来ていないという。注目の決断時期についても、米メディアの報道は「10日(日本時間11日)以降」「1週間以内」「間もなく」など様々。移籍先最終候補はエンゼルス、ドジャース、カブス、ブルージェイズ、ジャイアンツの5球団に絞られたと報じられたかと思えば、ここに来てブレーブスも再浮上している。

 また、スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は「ネズ・バレロ氏が交渉球団に対し“プロセスの詳細を漏らすと罰する”と警告している」と報じている。これほど情報が漏れず、錯綜(さくそう)するストーブリーグも珍しく、前例もなかなか見当たらない。

 果たして“大谷らしい”移籍先とはどこか。番記者10年目の私はそれでもエンゼルスかドジャースの2択だと予想するが、結末はいかに。(14~17年日本ハム担当、18年~MLB担当・柳原 直之)

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