【藤浪独占インタビュー(2)】トレード、下ネタ、ラッチマン…「純粋に楽しかった」米国での挑戦

2023年12月28日 05:36

野球

【藤浪独占インタビュー(2)】トレード、下ネタ、ラッチマン…「純粋に楽しかった」米国での挑戦
今季オリオールズで活躍した藤浪
 オリオールズFAの藤浪晋太郎投手(29)が27日、スポニチの独占インタビューに応じ、メジャー挑戦1年目を振り返った。米国と日本のチームカラーの違いや万国共通の下ネタ、そしてバッテリーを組んだ最強捕手のラッチマンのことまで…語り尽くした。
(聞き手・惟任貴信、遠藤 礼)

 ――日米の打者の違いは
 「バッターはバレルゾーンを意識してますね。角度をつけにいくスイングをしてきますね。あとは9番バッターでも間違えたらホームラン打たれます」

 ――対応の仕方も違うのか
 「日本のバッターは苦手な球種にも対応しようとしてきますが、メジャーは自分の得意な球種に全振りしてくるイメージ。3球同じボールを振って三振とかもしますし」

 ――考え方が違う
 「根底にはOPSがあって。球場によっては打率じゃなくてOPSしか表示されないところもありますしね」

 ――トレードも経験した
 「その時は数字も良かったですし、あるかなとは思ってので。でも月末のデッドラインかなと思ってたらその2週間前ぐらいだったので。強いチームに行けるので嬉しかったですね」

 ――通告された時
 「自分と投手コーチとトレーナー2人と通訳が呼ばれて監督が“ボルチモアにトレードになったから。首位に立ったチームだからポストシーズン楽しんできてくれ”と。握手してハグして“これは俺が一番好きなウイスキーだから”と言われて乾杯しましたね」

 ――アメリカに行って良かった
 「心底そう思いますね。タイガースがやりにくかったとかじゃなく、これだけの経験をできたことは自分にプラスですし。打たれて、英語が伝わらなくて苦労したことも全部経験なので。全部経験だと思えばそこまで苦しくなくなるので」

 ――私生活で壁にぶつかったことは
 「英語通じないことはありましたね。表現が出てこないとか。でも、こちらが一生懸命話そうとすれば理解してくれるので。何でもかんでも通訳にお願いするのではなく自分で話しにいくようにはしてました」

 ――溶け込もうとする姿勢が大事
 「自分も日本で外国人選手を見てきたので。マートン、ゴメス、呉昇桓とか凄かった助っ人はみんな文化になじんだり、日本語も覚えようとしてたので理解する姿勢は大事かなと思ってました」

 ――英語で好きな言葉は
 「何でしょうね…う~ん…『TAKE IT EASY』ですかね。難しく考えるなよと。気楽にやれよと周りにもよく言われましたね」

 ――純粋に楽しかった
 「野球のことだけ考えられるので、楽しいですね」

 ――逆に日本語を教えたりは
 「万国共通ですけど、やっぱり下ネタは(笑い)。あとはスラング系ですかね。“エグい”とか。アメリカではNASTY(ナスティ)という言葉があるんですけどね」

 ――メジャーチームのベテランはどんな人物だった
 ボルティモアは野手は(ジェームス)マッキャン、投手は(カイル)ギブソンがいて。2人ともチームをよくするためにどう動こうかと考えてくれて。ギブソンも投手全体で話す時も積極的に話してくれますし。長距離の移動の時はバスガイドが持つようなマイクを持ってマッキャンが司会をして若い選手に歌を歌わせたり、話しを振ったりしてました。

 ――日本の円陣みたいなのはあるのか
 「ボルティモアの文化でしたけど、勝った日は投手と野手のMVPを前回勝利した時のMVPが選んで話すみたいな。やっぱり向こうの人はスピーチがうまいですね。小さい頃からやってるんだなと」

 ――日米でチームの雰囲気も全く違う
 「オークランドで同僚だった(ドリュー)ルチンスキーが言ってたんですが、アメリカは毎年、毎年選手が入れ替わって新しいチームが変わるからまとめようとしないと短期間でチームが一つになることは難しい、と。日本はFAまである程度期間がありますし、選手の入れ替わりもそこまで激しくないので。そういう意味でもベテランがそういう役割を担ってるんだなと」

 ――メジャーを代表する捕手になりそうなラッチマンと組んだ
 「ラッチはすごく真面目で。人の悪口言ったり、荒れたりすることもなく。ピッチャーを立ててくれる捕手で、フレーミングも1球、1球本当に丁寧にやってくれる。あれだけバッターとしても凄いですけど、自分は捕手としての能力が凄いなと。肩も強い、ブロッキングもできてデータも見る。投げていてファンになりますね」

 ――遠征先で試合の後に同僚と飲みに行ったりする文化はあるのか
 「ほとんどないですね。一度、アリゾナに遠征してガナー(ヘンダーソン)と食事に行ったんですけど、食べ終わってバーとかに行くのかなと思ったんですけどガナーは“明日も試合だから帰るよ”と。ちょっとびっくりしましたね」

 ――ボルティモアも個性的な選手が多い
 「(ライアン)マウントキャッスルが歌がうまくてカラオケでずっとマイクを離さなかったり。毎回、一発芸をするような選手はいなかったですね」

 ――対戦して印象的な打者は
 「データ的な意味で言えばゲレーロ・ジュニアとか。あれだけ凄いバッターなのにデータ的にはずっとスイーパーとかスライダー系を投げておけば打たれないという。実際に対戦してもそうでした。あとはホームラン打たれた(ピート)アロンゾとかとんでもない飛距離のホームランを打たれた(マット)オルソン…(ホセ)アルチューベ、(ヨーダン)アルバレスとか。(アーロン)ジャッジ、大谷はデータ的にはどこ投げても打たれる感じでしたね」

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