ヤクルト5年目の奥川 逆境乗り越える!故郷・石川に復活の剛球誓う

2024年01月15日 05:30

野球

ヤクルト5年目の奥川 逆境乗り越える!故郷・石川に復活の剛球誓う
キャッチボールする奥川(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 震災も、長いブランクも乗り越える――。ヤクルトの5年目右腕・奥川恭伸投手(22)が14日、埼玉・戸田グラウンドで自主トレを行った。同グラウンドでの練習は年明けで初めて。明るい笑顔で関係者とあいさつを交わし、見守った小川淳司GMも「いい表情をしている。元気そうだね」と喜んだ。
 右肘痛などの影響で、過去2シーズンで1軍登板は1試合のみ。それでも「(体の不安は)今はないです。1月に入ってからもしっかり練習ができている」とうなずく。この日はランニングに加え、約40メートルの距離で力強いキャッチボール。今月中のブルペン投球に「入りたいですね」と意欲を見せ、春季キャンプ初日の2・1の本格的な投球練習も照準に入れている。

 頑張りたい、頑張らなければならない理由がある。石川県かほく市に帰省していた今月1日、奥川は能登半島地震に遭った。同市は震度5強。津波警報など「ずっと(緊急の)サイレンが鳴っていた」と、建物を飛び出して高台に避難した。自宅や家族は無事だったが、地元・石川では今も懸命の救命活動、復旧作業などが続いている。寄付など今後の支援活動について「したいと思います」と真剣な表情で話した右腕は、同時にマウンドでの勇姿を見せることが何より被災地を勇気づけることも知っている。

 「まずはしっかり投げたいですね、1軍で。はい。練習するだけです」。星稜(石川)3年夏には甲子園で準優勝し、入団2年目には9勝。ここ2年間は苦闘が続き、1軍で勝利すれば21年以来3年ぶりだ。乗り越えた先に自らの、そして大勢の人の笑顔が待っている。(鈴木 勝巳)

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