ヤクルトの「神」は村神様だけじゃない 若手も他球団選手も一目置く「大投手」の大記録に期待

2024年02月03日 07:15

野球

ヤクルトの「神」は村神様だけじゃない 若手も他球団選手も一目置く「大投手」の大記録に期待
ヤクルト・石川 Photo By スポニチ
 今年からヤクルト担当となった。ヤクルトスワローズと聞いて真っ先に思い浮かんだのが、球界最年長の石川雅規投手(44)だった。記者とは同学年で、79年生まれ(石川は80年の早生まれ)で唯一の現役選手だ。
 パ・リーグの担当が長かったため、実際に投球を見たり取材をする機会はほとんどなかったが、同じ年齢ということもあり、ひそかに登板試合の結果はチェックしていた。

 昨年まで担当していた楽天の岸孝之投手(39)にヤクルト担当になることを報告した際には「石川さんによろしくお伝えください。“お互い、頑張りましょ”って。マジでいい人だから」と伝言をことづかった。

 1月下旬。神宮外苑で自主トレを行っていたタイミングで、あいさつをさせてもらった。名刺を差し出し、岸の言葉と同学年として個人的にずっと応援していたことを伝えた。数分間の会話だったが、一瞬にして彼の人間性に魅了された。丁寧で誠実な対応。岸が「マジでいい人」と言っていた理由がすぐに分かった。

 驚かされたのが、その直後の行動だ。クラブハウス前で出待ちしていたファンに自ら歩み寄り、サインと写真撮影に応じる姿はまさに“神対応”。それだけではない。出入り口付近に立ってしばらく誰かを待っていた関係者に「誰かお待ちですか?もう要件は伝わっていますか?」と訪ね、担当者を探すためにクラブハウスの中へ。さらにバイクで出前の食器を取りに来た飲食店の男性には「ご苦労さまです。いつもありがとうございます」と笑顔を向けた。

 ところ変わって沖縄・浦添。まだ始まったばかりだが、今キャンプも練習後、タクシーで宿舎に戻る前に時間が許す限り快くファンのサインに応じるなど、“神”ぶりは健在だ。担当になってまだ1カ月しか経っていないが、取材の中で「石川さんは…」と名前を挙げながら尊敬の念を示す後輩たちの多いこと。これこそ、ベテランのあるべき姿だろう。

 プロ23年目。まずは23年連続勝利という記録に挑む。「この年になると、ケガをしたらもう終わりなんで。まずは健康でいること、ですね」と石川。年齢ではなく“年輪”を感じさせる投球術でそこから白星を積み重ね、どれだけ時間がかかっても残り15勝とする通算200勝を達成をしてほしい。担当記者として、同じ世代としても応援している。(記者コラム・重光 晋太郎)

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