元高校球児が阪神園芸で神整備を極めるため奮闘中!甲子園で抱いた憧れを胸に入社した西上尚希さん

2024年02月06日 05:15

野球

元高校球児が阪神園芸で神整備を極めるため奮闘中!甲子園で抱いた憧れを胸に入社した西上尚希さん
阪神園芸・西上尚希さん(右)から指導を受け、グラウンド整備を行う本紙・松本記者(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【新虎番突撃リポート 松本航亮】スポニチ虎番に新しく加わった記者が、阪神のキャンプを支える人々の仕事に潜入する企画「新虎番突撃リポート」。第1回は、松本航亮記者(23)が、入社1年目つながりで阪神園芸・西上尚希(たかき)さん(19)に密着。市和歌山(和歌山)で記録員として甲子園に出場した元高校球児に、グラウンド整備にかける情熱を聞くとともに、“神整備”を伝授してもらった。
 虎番を拝命し、初めての春季キャンプ。日々の取材に忙殺されているところに、キャップから休日のネタを探るよう指令を受けた。しばし思考を停止して周りの風景を眺めていると…あった。目の前でテキパキと動き回る阪神園芸の皆さんの姿が目に入った。突撃!

 そして…宜野座球場サブグラウンドで軟式野球同好会に所属した大学時代以来の“トンボ”を手にすることになった。当時と同じように整備を始めたが、そこに“先生”の西上さんから指摘が入る。「でこぼこがないか土が少なくなっていないか。見ることがまず大事です」。確かに地面をよく見ると、わずかにグラウンドの高さに違いがある。それを均一にしようとすると今度は土を持ってきた場所が低くなる。トンボがけ一つとっても、見ているのと、やるのとでは大違いだった。

 西上さんは入社1年目。市和歌山では野球部に所属し、22年選抜で記録員としてベンチ入りした。その時に阪神園芸の整備を間近で観察し、憧れを抱いたという。「あの時、甲子園に行って、きれいなグラウンドを見たことで働きたいと思うようになりました」

 憧れて阪神園芸に入社したが、飛び込んだ世界のレベルの高さは想像以上。「ベテランの方は甲子園のグラウンドをパッと見ただけで“ここが高い、ここが低い”ってわかるんです」。“神整備”を支えるのは速く、質の高い整備を実践する技術と、鋭い観察眼。もちろん一朝一夕で手に入れられるものではない。「まだまだやなって思ったし、自分がやってきたことって合ってたのかって」と自信を失いかけた。

 だが「整備が好き」という気持ちが自らを奮い立たせた。「好きなこと、自分がやりたいと思ったことで、仕事をさせてもらえている」。少しでも先輩に近づくために、まず試合の見方が変わった。「例えば盗塁でスライディングをしたら“今はベースの手前の土が少ない”とか。どこでプレーがあって土がどう移動したかに注目して見ています」。事前準備を欠かさず、現場に臨むようになった。

 西上さんも今春が初のキャンプ。「大変ですね。メイン、サブ、ブルペンと臨機応変に移動して動かないと」と苦笑しつつ、「だんだん慣れてきたので、2年目は速く丁寧な仕事ができれば」と前を向く。私も憧れて新聞記者になった。2年目こそは速く丁寧な原稿を書けるよう、地に足を着けて頑張ります!(松本 航亮)

 ◇松本 航亮(まつもと・こうすけ) 2000年(平12)4月3日、兵庫県宝塚市生まれの23歳。23年4月にスポニチに入社し、報道部配属。24年1月から阪神担当。平城(奈良)野球部では外野手としてプレー。3年夏は県大会3回戦敗退。関大では軟式野球同好会で4番を務めた。趣味はゲーム。1メートル75、70キロ。右投げ右打ち。

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