ドジャース・大谷 26日語ることを自ら決断 ロバーツ監督「誰にとっても良い一日に」

2024年03月26日 01:30

野球

ドジャース・大谷 26日語ることを自ら決断 ロバーツ監督「誰にとっても良い一日に」
<ドジャース・エンゼルス>国歌独唱で整列する大谷(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 ドジャースの大谷翔平投手(29)が24日(日本時間25日)、専属通訳だった水原一平氏(39)の違法賭博問題について25日(同26日)に初めて取材に応じる意向を示した。大リーグ機構(MLB)が本格調査を開始する中、球団の要請ではなく、自身の意思で話すことを決断したという。情報が錯綜(さくそう)する中、疑惑の全容解明に向け、ついに口を開く。
 試合前のドジャースクラブハウスには、総勢40人のメディアが集結していた。自分のロッカーに荷物を取りにきた大谷は、すぐ米メディアに声をかけられた。大谷は「tomorrow(明日)」とだけ小声で語り、25日に問題発覚後初めて取材対応する意向を伝えた。

 水原氏が球団から解雇された21日、韓国ソウルでの試合後に報道陣からコメントを求められたが、この時は球団が制止していた。MLBの捜査部門が調査に動き出した中、球団からの要請ではなく、自ら報道陣の前で話すことを決断した。デーブ・ロバーツ監督は「翔平の決断によるもの。彼が知っていること、この状況について考えを述べるのは良いこと、正しいことだと思う」と支持した。

 問題の焦点は「違法賭博による借金と知っていたか」と、「誰が胴元へ送金したか」の2つ。水原氏は違法ブックメーカー(賭け屋)に巨額の借金があり、大谷の口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)が送金された。水原氏はスポーツ専門局ESPNの取材に、当初は大谷自らがパソコンを操作して借金の肩代わりをしてくれたと証言していたが、その後に撤回して「全て自分が犯した過ち」と大谷の関与を否定していた。

 ただ大谷に無断で銀行口座にアクセスし、巨額の送金が可能なのかどうか、専門家の間でも意見は割れている。大谷の代理人は「大規模な窃盗の被害に遭った」と主張し、法執行機関に捜査を依頼している。渦中の大谷本人が口を開かないことに米メディアは批判的で、ロサンゼルス・タイムズ紙は「大谷の沈黙が臆測を招いている」と指摘していた。

 この日は移籍後初めて、本拠地ドジャースタジアムでプレーした。対戦相手の古巣エンゼルスナインと旧交を温め、2打数無安打、1四球だったが、4万2607人の大観衆から一番の歓声を浴びた。
 ロバーツ監督は「クラブハウスは“野球しよう”という雰囲気。臆測はあまり聞こえてこない。だからこそ、明日は誰にとっても良い一日になると思う」と言った。同じ13年に日本ハムに入団し、公私ともに歩んできた相棒との衝撃的なコンビ解消。騒動の中心にいる大谷から、果たして何が語られるのか。(柳原 直之)

 【水原氏違法賭博問題の経過(月日は日本時間)】

 ▼3月20日 違法賭博疑惑についてESPNが水原氏に電話取材。450万ドル以上の借金の肩代わりを大谷に求めたと答える。韓国ソウルでパドレスとの開幕戦が行われ、チームは勝利。試合後、水原氏が選手らの前で謝罪した。

 ▼21日 未明に大谷の広報担当者が、ESPNに水原氏がうそをついていたと伝え、原稿を公開しないように求める。大谷サイドが「大規模な窃盗被害にあった」と声明を出し、ドジャースは水原氏を解雇。水原氏はESPNに対し前日の発言を撤回する。パドレス戦に敗れ、試合後にチームは米国へ帰国した。

 ▼22日 大谷サイドが法執行機関に捜査を要請したこと、日本の国税庁にあたる内国歳入庁が水原氏を捜査していることが明らかになる。

 ▼23日 大リーグ機構が疑惑の全容解明へ捜査を開始したと発表した。

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