中畑清氏 混セ、最後まで諦めない勝負を!大事なのは粘り

2024年05月14日 05:30

野球

中畑清氏 混セ、最後まで諦めない勝負を!大事なのは粘り
中畑清氏 Photo By スポニチ
 【キヨシスタイル!】パ・リーグはソフトバンクが抜け出した感があるね。23勝9敗2分け。貯金14で、2位の日本ハムに4・5、6位の西武には11・5ゲーム差をつけている。
 一方のセ・リーグは大混戦だ。首位の阪神が18勝14敗4分け。6位のヤクルトが15勝18敗2分け。6球団が3・5ゲーム差の中にひしめいているんだ。一時は貯金6までいった中日が失速して今は借金2。阪神も抜け出しそうで抜け出せない。どのチームも混セの輪の中から外されまいと必死。緊張感のある展開が続いている。

 そんな中、新しい風が吹いてなんとか借金2で踏みとどまっているのがDeNAだ。空気を変えたのは5年ぶりに帰ってきた筒香。復帰戦となった6日のヤクルト戦で逆転3ランを放てば、11日の阪神戦では7点差を追いついた8回に決勝弾だ。「アレンパ」を狙う阪神相手の大逆転は大きい。

 思い出したよ。DeNA監督就任2年目の2013年。7点差の試合を3度ひっくり返したんだよね。最初は5月10日、横浜スタジアムでの巨人戦。恩師の長嶋さん(巨人終身名誉監督)が激励に来てくれた試合だ。

 初回いきなり5点を先制されてさ。7回表が終わった時点で3―10。ここからだ。就任以来口酸っぱく言い続けてきた「最後まで諦めない野球」を選手が実践してくれた。7回裏に2本塁打を含む7連打で6点を返し、9回1死一、二塁から多村が右翼席へ逆転サヨナラ3ランをかっ飛ばしてくれたんだ。

 12―10の大逆転勝利。最高の気分だった。巨人にはこっぴどくやられていたからね。前の年は4勝17敗3分け。この年も6試合目で初勝利だった。最後まで諦めない気持ちを持ち続ければ、何かが起きる。選手がその気になって、スタンドも期待してくれるようになったのは、このあたりからじゃないかな。

 さて、混セ。5月28日の交流戦開幕まで2週間ある。去年はこの時期に阪神が11勝1敗の快進撃で大きく抜け出したんだよね。でも、今年は現状でそんな決定力を持ったチームは見当たらない。チャンスはどのチームにもある。大事なのは粘り。最後まで諦めない気持ちの勝負になる。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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