天候を読み、試合展開も読み切る 巨人・阿部監督の経験値に裏打ちされた予言

2024年09月03日 12:30

野球

天候を読み、試合展開も読み切る 巨人・阿部監督の経験値に裏打ちされた予言
巨人・阿部監督 Photo By スポニチ
 漁師のように空を見て天候を的中させた。1日の阪神戦の試合前練習中。甲子園のバックスクリーンで左翼から右翼方向になびく旗を見て、巨人・阿部監督は「雨が降るときは逆に吹くんだよ」と教えてくれた。
 甲子園特有の「浜風」。海から陸に向かって吹く海風のことで、海に近い右翼から左翼方向に吹く。この日は逆。かつて漁師町として栄えた千葉・浦安市出身の指揮官の予言通り、試合が進むにつれて雨脚は強くなった。

 1―1の7回無死一塁から仕掛けた。吉川の三塁線へのセーフティーバントが、相手のエラーを誘発して一、三塁とチャンス拡大。小林のセーフティースクイズなど4者連続のバント攻撃で2点を勝ち越した。その裏を守り切って回を終えたタイミングで雨天中断。そのまま降雨コールドで勝利をもぎ取った。現役時代から扇の要として思考を巡らせてきた甲子園。指揮官として天候と試合の流れを読み切った。

 前日は嫌な試合の流れを感じ取っていた。初回に5連打で2点を先制も、6回に戸郷が2死から安打と死球で一、二塁とされ、佐藤輝に3ランを被弾して逆転負け。5回まで右腕はわずか1安打でほぼ完璧の内容だっただけに、まさかの展開だった。一日経って阿部監督は「なんか嫌な予感がしたんだよね。いい当たりが正面を突いていたから」と振り返った。門脇の遊直など鋭い当たりがことごとくアウトになっていたことから“流れ”を察知していた。

 4年ぶりVへ勝負の9月。広島とのし烈な優勝争いの中で、指揮官の経験値がさらにものをいうはずだ。(記者コラム・青森 正宣)

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