ソフトバンク有原 甲斐と最優秀バッテリー賞 春季Cから「狙って」有言実行だ

2024年10月23日 05:25

野球

ソフトバンク有原 甲斐と最優秀バッテリー賞 春季Cから「狙って」有言実行だ
9月23日、リーグ優勝を決めて笑顔で記念撮影する有原(右)と甲斐
 スポーツニッポン新聞社が制定する「2024年度プロ野球最優秀バッテリー賞」の選考委員会は22日、セ・リーグは菅野智之投手(35)―小林誠司捕手(35)、パ・リーグは有原航平投手(32)―甲斐拓也捕手(31)を選んだと発表した。菅野は7年ぶりで投手では最多に並ぶ3度目、小林とのコンビでは2度目。有原は初、甲斐は4年ぶり2度目となった。4選手には賞金100万円が贈られる。
 謙虚なエースは真っ先に同学年の甲斐への感謝を強調した。「拓也のワンバウンドのストップは素晴らしいです。どのカウントでもどこに走者がいても何も考えずに落ち球を投げにいけた。全部止めてくれてめちゃくちゃ助かりました」。有原は初受賞の喜びをかみしめながら話した。

 「ペイさん」「タクヤ」と呼び合う有原と甲斐。相思相愛の2人は春季キャンプからバッテリー賞を意識していた。「キャンプのときから、この賞を狙っていきたいと2人で話していたんです。実現できてうれしいなと思います」。自身初の開幕戦勝利を挙げた3月29日のオリックス戦から常にバッテリーを組み、白星を積み重ねていった。5月21日の楽天戦から7月2日の西武戦までは破竹の5連勝を飾った。

 「配球も時間をかけ組み立ててくれる。本当にサインを信じて投げるだけでした。凄く助かりました」。10月3日の楽天戦で14勝目を挙げ、日本ハムの伊藤と並んで自身2度目の最多勝タイトルも獲得できた。「ちゃんと考えているところに投げると結果も出るんです」。26試合登板、182回2/3投球回はいずれもキャリアハイだった。

 ベストゲームには今季初完投で2勝目をマークした4月23日のロッテ戦を挙げた。「9回に藤岡選手にヒットを打たれた。“ここには投げるな”というのはあったけど、そこに投げて打たれて。最後のポランコ選手は拓也の思うところに投げて三振。“ちゃんと投げろよ”と言われたのは覚えてますね」と振り返る。

 日本ハムとのCSファイナルSでも開幕投手を務め、甲斐とチームを勝利に導いた。26日の日本シリーズ第1戦も、パ最強タッグでDeNAに挑むことが有力だ。「長打力のあるバッターが本当に多い。警戒して自分のリズムで一人一人に投げていきたい」。頂上決戦でも甲斐の構えたミットを目がけて腕を振る。 
(井上 満夫)

 【選考理由】パはともに14勝で最多勝に輝いた有原―甲斐(ソフトバンク)と伊藤―田宮(日本ハム)の一騎打ち。6票対5票の僅差で有原―甲斐に軍配が上がった。

 「チームが優勝し、有原は投球回数もリーグ1位。期待に応えた」と東尾修氏。森繁和氏も「メジャーから復帰して活躍。甲斐のリードでよみがえった」と2人の相乗効果を評価。野村謙二郎氏も「文句なし。勝利数はもちろん、投球回もしっかり投げた」とした。

 伊藤―田宮に票を入れた槙原寛己氏は「一人で貯金9。5完投も見事で2位躍進の原動力」。109試合出場の田宮を評価する声も多く、牛島和彦氏は「プロ6年目。新庄監督に抜てきされて攻守に大きく成長した」と称えた。辻発彦氏はソフトバンクのモイネロ―甲斐に投票。「1年間ローテーションを守って防御率のタイトルを獲得。甲斐のサポートがあればこそ」とした。

 ▽最優秀バッテリー賞 投手だけでなく、捕手にもスポットを当てて球界最高の「バッテリー」を表彰する。第1回は1991年で今年で34回目。選手や球界関係者、ファンの認知度も高い。投手は先発ローテーションの一員として、または救援投手としてシーズンを通して活躍したことを最低条件とする。捕手はインサイドワークや盗塁阻止率、捕逸の少なさなどを基準に選考される。張本勲氏と有藤通世氏は第1回から選考委員を務める。

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