愛された巨人の助っ人ヘルナンデスを支えたファンからのメッセージ

2024年10月23日 07:10

野球

愛された巨人の助っ人ヘルナンデスを支えたファンからのメッセージ
8月に東京ドームで行われた巨人・ヘルナンデスへの応援メッセージを募る企画「みんな、待っているぞ!エリー」でボードに書かれたメッセージをヘルナンデスがスマホで撮影して保存。赤で囲まれているのは、スペイン語で「苦しい時から立ち上がった人が、苦しんだことない人より大きくなるんだ」と書かれたメッセージ(本人提供) Photo By 提供写真
 巨人・ヘルナンデスのスマートフォンにはある写真が保存されていた。スペイン語で「苦しい時から立ち上がった人が、苦しんだことない人より大きくなるんだ!」と書かれたメッセージを自ら撮影したもの。左手首を骨折し2カ月のリハビリ期間中に何度も奮い立たせてくれた、ファンからの激励の言葉だった。
 5月に加入し、交流戦から合流すると8試合連続安打をマークするなど、低調だった打線を活性化させた。阿部監督が「野球に対する姿勢がすばらしい」と評するほど練習熱心。明るい性格でナインとすぐにうちとけ、「エリー」の愛称でファンからも愛された。

 チームに欠かせぬ存在となっていたが、8月11日の中日戦の守備で負傷。早期復帰を願い、同20日から東京ドームでの広島、中日との6連戦で、応援メッセージを募る企画「みんな、待っているぞ!エリー」が開催された。日本語で書かれたメッセージも通訳に訳してもらいながら読んだ助っ人が、スマホに保存したひとつが冒頭の言葉だった。

 自身のSNSにも多くのメッセージが届いた。出身のドミニカ共和国の公用語のスペイン語だけでなく、英語や日本語でも送られてきた。「言葉の壁があったけれど、日本語は自分で翻訳機を使って、できる限り読んだよ」。込められた意味をちゃんと理解したかった。温かい言葉全てが力になった。

 今月17日に実戦復帰を果たし、DeNAとのCSファイナルステージで3連敗し崖っ縁に立ったチームを救うべく19日に緊急昇格。割れんばかりの「エリー」コールで迎えてくれたファンに「本当に支えになった。100%のプレーをして恩返ししたい」と誓っていたが、3戦11打数無安打。チームも逆王手をかけるも第6戦で敗れ、日本シリーズ進出を逃した。

 「本当に悔しい。すばらしい環境で一年間できたのは、かけがえのない財産。(来季は)自分でコントロールできない部分もあるけれど、来年も優勝して日本一を達成できるように頑張りたい」とヘルナンデス。ファンは東京ドームで待っている。(記者コラム・青森 正宣)

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