岩田剛典語る「アンチヒーロー」の魅力と“追いアンチポイント”とは…「脚本に隙がない」
2024年05月30日 12:00
芸能
「やっぱり本が面白いというのは役者にとっては魅力のある作品だなと思いますし、あと作品に入る前の段階で8、9話くらいまで本ができあがっていたので、そういった意味ではどっしりと安心感がある、信頼できる現場だなと。ほぼほぼ最終話以外の本はあるみたいな状況でのクランクインだったので、先を計算しながら芝居ができました。緋山がどういう人物かというのが、8話で初めて分かるので、その台本がなくて1、2話を芝居するのと、それがあるで芝居できるのは雲泥の差なので、良かったです」
――計算できたところというのは?
「第7話で、匠海くんが演じる赤峰との対話のシーン。緋山のキャラクターを作っていく上で、一番重要な人となりや過去がようやく分かるというシーンですかね」
――序盤(第1、2話)と再登場からでは変化をつけたのか?
「逆算というか、逆で見たら、1、2話の感じが納得していただけるという感じですかね。1、2話は視聴者をだまそうとして芝居をしていないんですけど、8、9、10話を見ていただくと、自然と“1、2話、そういう流れになりますよね”っていう。だから脚本に穴がない、隙がないと」
――作品の魅力は?
「重厚な脚本です。本が面白いというのが作品の良し悪しを決める大きな要素になってくると思うので。まずはそこが盤石であることが、視聴者の満足度につながっているのかなと思います。あとは撮り方が丁寧です。上がりの映像が映画っぽい質感になっていて、そこも好きですね。視聴者っぽい目線ですけど、ノワールみたいな感じで。2話の上映会のときに感じました。“全然あれだな、映画館のスクリーンでいけるな”みたいな」
――終盤に向けての“追いアンチポイント”は?
「物語の理解度を高める上で、何度も何度も見るのはめちゃ重要。それでも気づけないところもあると思います。各キャラクターが話をまたいでシンクロしていく。5話で僕が登場したのもそうなんですけど、無理矢理登場したわけではなくて全部がつながっていくんですよね。なおかつ、緋山の事件の裁判だけじゃなくて、そのあとの裁判も、この先すべてがつながっていくという。本当に最後までご覧になっていただいた人にしか得られない満足度がある作品です」
――飯田プロデューサーは第8話を見る前に、第1話の冒頭シーンを見てほしいと補足されました。
「1話の頭と最後に接見室のシーンがあるんですけど、実はめちゃ重要シーンっていう。ただの主人公のヒーローカットではございませんということです。そうではなくて、すべての物語のスイッチになっています」