松下由樹語る デビューから40年「20代は短距離走だった」女優人生振り返る 映画「お終活」出演で

2024年05月30日 11:00

芸能

松下由樹語る デビューから40年「20代は短距離走だった」女優人生振り返る 映画「お終活」出演で
31日公開の「お終活 再春!人生ラプソディ」に出演する松下由樹 Photo By スポニチ
 【インタビュー】女優の松下由樹(55)が31日公開の映画「お終活 再春!人生ラプソディ」(監督香月秀之)で葬儀社の社員を演じている。人生100年時代に、青春時代の夢にもう一度挑戦しようと呼び掛ける役どころ。自身は15歳でデビュー後、コメディーからシリアスな役柄まで第一線で演じ続けてきた。これまでの生き方を見つめ直す映画に出演し、振り返った女優人生40年について聞いてみた。(鈴木 美香)
 「笑って泣けて役に立つ」と話題になった前作「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」から3年ぶりの続編。松下はお終活の最新情報を伝える葬儀社の社員で一級葬祭ディレクター・桃井梓を引き続き演じる。1983年公開の映画「アイコ十六歳」で、富田靖子演じる主人公の友人役で15歳でデビューし、これまでさまざまな作品に出演してきた。

 「最初“お終活”でお話をいただいた時、言葉の印象だけでどんな話なのかな?と思ってしまったんです。でも、台本を読んでいくうちに、あれっ面白いなと思いました。お終活の知識が増えて、さらに、結果、前向きになっていく。私は葬儀社社員の役ではあるけれど、ネガティブではなく、ポジティブの方のイメージに取っていただけるように演じたいと思いました」

 劇中では、松下演じる桃井が講師を務めた終活セミナーで、主人公・千賀子(高畑淳子)が背中を押され、これまでの人生を振り返り、かつての夢に再び挑む「再春」として一歩踏み出す決意をする。

 「お終活って、私の母親世代とか、それぐらいの年齢の上の方の方々が必要とする知識なのかと思ったら、映画に実際に参加させていただいて感じたのは、私ぐらいの50代の方たちが見て役に立つとか、日常生活の中で知っていいことってたくさんあると思いました。どんな人生を送ってきたのか、これからどんな人生を送りたいかによって、どのように見送りたいかが変わってくるんじゃないか。そういうのを知っておくことも家族にとっては大事だと思います」

 90年代はトレンディードラマに多数出演。90年代後半からは「ナースのお仕事」(フジテレビ)シリーズで観月ありさとの名コンビぶりが人気を博し、2000年代には「大奥~第一章~」(同)で主演するなど、常に第一線で幅広い作品で活躍してきた。

 「若い頃は頑張らないといけないというプレッシャーの中にいました。でも、その頑張りが後に生かされることもある。自分が壊れる無理は禁物ですけど、その時に頑張って何か生み出せるのだったら、その頑張りも悪いものではないというのが自分の経験です。20代は短距離走でした。それが徐々に長距離走になっていって、今はマラソンなのか分からないですけど、そういう感じだったんじゃないかなと思っています。好きなものは好きと思える大事さみたいなものを若い時は思っていたんですけど、最近は自分が好きなものはこれだと思った自分をよしとしてあげるというか、人と比べたり、人がどうのこうのという前に自分がリラックスするならそれでいいと気負わなくなってくる。そういう選別が生まれてきたりするんだなというのをぼんやり思うようになりました」

 今回の共演には、高畑のほか、橋爪功、石橋蓮司、大村崑、長塚京三らがベテランもそろった。

 「本当に元気でエネルギッシュに演じられる先輩たちとご一緒させていただいていると、私なんてまだまだ落ち着いたことを言っている場合ではないと変わってきますね(笑い)」

 マイペースに50代を駆け抜ける松下から目が離せない。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2024年05月30日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム