歌う看護師・入山アキ子「歌も看護も心から」 介護施設、病院で歌と健康講座のボランティア

2024年10月04日 05:00

芸能

歌う看護師・入山アキ子「歌も看護も心から」 介護施設、病院で歌と健康講座のボランティア
“歌う看護師”としてデビュー20周年を迎えた入山アキ子 Photo By 提供写真
 著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回は「歌う看護師」としてデビュー20周年を迎えた歌手の入山アキ子さん(55)です。「歌も看護も心から」をモットーに、施設、病院訪問のボランティアを年間99回を目標に活動してきました。そんな入山さんの元気の源は当然「歌」です。秘めた決意を胸に、今日も元気に歌と健康講座を全国に届け続けます。(構成・元尾 哲也)
 何といっても、歌うことが最高の私の健康法です。歌うのが楽しくて、人生を選び直したぐらいですから。その前は看護師として、大勢のお年寄りと接してきました。人生の先輩たちから授かった理想の生き方があります。ずっと元気でいて“あら、亡くなってしまったの”という「ピンピンコロリ」のエンディングが理想です。皆さん、病気で寝込まず、人生の最後まで元気でいてほしい。だから、歌う一方で予防医学「健康な人を健康なままで」をアピールしています。

 2004年のデビューから「歌も看護も心から」をキャッチフレーズにしています。具体的には「元気・笑顔・つなごう99」と題して、年間99カ所を目標に全国の介護施設や病院をボランティアで回ってきました。本当は100でもいいのですが、私の誕生日と救急(99)にかけています。ステージやキャンペーンなどの仕事もありますから、実際には89カ所がこれまでの最高です。やはり関東と故郷の山口が多いです。住んでいる埼玉から14時間かけて山口まで運転したこともあります。自分で着物を着て、自分で運転してお邪魔します。だいたい30分ぐらい歌って、30分ぐらいが深呼吸トレーニングや脳トレなどの健康講座です。ご迷惑にならないよう、さっと帰ります。私にできることって、それぐらいしかありません。投薬するわけでもないのに、歌い終わり、私と握手しただけで喜んで元気な笑顔を見せていただけるなんて…。歌手になって本当に良かったと思います。

 もともとはアナウンサー志望でした。高校時代は放送部で、NHKアナウンスコンテストで2年連続山口県代表になりました。でも、アナウンサーになるには大学卒が条件です。実は10歳の時、父親が女性と駆け落ちし、ずっと母子家庭でした。3つも奨学金をもらって高校に通うほど、困窮していました。担任教師が「給料をもらって学べる道がある」と防衛医大を勧めてくれたのです。埼玉県の防衛医大看護学院に進み、卒業後は看護師として13年間勤務しました。

 歌好きだったので、27歳ぐらいからカラオケ大会に出場し、何度か優勝しました。それがきっかけで、同郷(山口県)の作曲家・鈴木淳先生に弟子入りし35歳で歌手デビューしました。08年にテイチクからメジャーデビューした作品が「ザンザ岬」でした。北海道・稚内が歌の舞台なので、1人で稚内にキャンペーンに行き、毎晩スナックやカラオケサークルをひたすら回り、後援会もできました。

 ほとんどテレビにも出られませんが、全国各地で応援してくださる方との人のご縁だけで20年間、歌ってくることができました。夜もあまり眠れないなど、体力的な過酷さは看護師と同じです。でも大好きな歌の世界。ほとんど大病することなく、心も体も元気いっぱいです。しかし、歌が好きだというだけで、いつまでも人のご好意に甘えてばかりもいられません。今回、「ザンザ岬」をリメークして再発売し、これが最後の作品だと思って歌っています。来年3月23日の大恩人の命日には、自分なりのけじめをつけるつもりです。今は、聴いてくださる方の健康を祈念しながら歌うことが、私のエネルギー源になっています。

 ≪28日秋芳洞で洞窟コンサート≫20周年の集大成として8月に「ザンザ岬」「紀淡海峡」「秋芳洞愛歌」という代表曲3曲を歌い直して新曲として再発売した。♪ザンザザ、ザンザザ、ザンザとヨー…と波しぶきを想起させるリフレインが印象的な同曲は有線放送チャートで1位を記録するなど好調な出足を見せている。

 新曲発売を記念して、この3曲を歌う列島縦断カラオケ大会を先月22日の東京予選を皮切りにスタートした。この後、入山が「大使」を務める北海道、和歌山、山口3カ所での予選を経て、来年3月23日に埼玉・所沢で全国決勝大会を開催する。

 地元の山口県美祢市にある特別天然記念物「秋芳洞」で、今月28日に史上初となる洞窟コンサートを開催する。「皆さんのご尽力で“秋芳洞愛歌”を現地で歌える許可を頂きました。アンプなどを使用せず、ギターなどのアコースティックな楽器だけで歌わせていただくので、楽しみです」と抱負を語った。

 ◇入山 アキ子(いりやま・あきこ)本名入山章子。1969年(昭44)9月9日生まれ、山口県美祢市出身の55歳。看護師(防衛庁技官・国家公務員)。防衛医大看護師胸部外科主任、豊岡第一病院内科外来師長を経て、2004年「不如帰」でデビュー。08年テイチクから「ザンザ岬」でメジャーデビュー。シングル17枚、アルバム8枚を発売。09年、北海道稚内市ふるさと大使、10年、山口県美祢市ふるさと交流大使、14年、和歌山市加太夕陽鯛使、今年、和歌山市観光発信人に就任。

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