リオ五輪“知恵と工夫”の開会式 演出も費用もエコ
2016年08月07日 05:30
五輪
開会式はスポーツを楽しむ人々の映像からスタートした。続いて約250枚の銀色のシートがフィールドに登場。持ち手が揺すると、波と海のようにキラキラと輝いた。その後、緑の光の中でインディオが踊り、多くの移民が渡航してきたブラジルの歴史を描いていった。
随所で、観客から立体的に見える映像「プロジェクションマッピング」を多用したが、過去数回の開会式のような大掛かりな装置はなかった。使われたのは、シートや白い箱、伸縮性のあるロープなど。いずれもホームセンターで手に入りそうなものだった。
入場行進もエコにこだわった。各国選手団を先導したのは、国・地域名が記されたプラカードを立てたカラフルな自転車。いずれもリサイクル品。自転車の後ろには苗木を持った少年少女が続き、森林伐採が深刻なアマゾン熱帯雨林の再生をアピールした。
選手も緑化運動に参加した。各人に樹木の種が渡され、それを銀色の柱に埋め込まれた小さな鉢に植える。終盤、柱はアリーナ中央に移動し、葉っぱが芽吹いて五輪の形に変化。地球に優しい演出に、約8万人で埋まったスタンドから拍手が巻き起こった。
聖火台もエコ仕様だった。地球温暖化を抑制するメッセージを込め、あえて小さな炎しか出ないように設計。聖火台の後方には、回転する金属製のオブジェを配置し、エネルギーの源である太陽や生命を表現した。
≪リオ五輪開会式の流れ≫
▼スポーツを楽しむ人の映像
▼銀のシートで波を表現
▼ブラジル国歌の斉唱と国旗掲揚
▼微生物のようなオブジェで生命の進化を表現
▼インディオが糸を紡いでさまざまなものを作る
▼大航海時代にポルトガル人が来航
▼森が開拓され、農園が誕生
▼日の丸をモチーフにした衣装の日系移民が登場
▼地面から生えてきたビルの上を人々が走り回る「パルクール」のパフォーマンス
▼飛行機がスタジアムから飛び立つ
▼ボサノバ「イパネマの娘」でジゼル・ブンチェンがウオーキング
▼少年が暗闇の中、1本の小さな木を見つける
▼選手入場
▼スタジアム中央に各国の選手たちが種を植えた銀色の箱が運び込まれる
▼箱から芽が出て五輪マークになる
▼聖火が到着。最終走者バンデルレイ・デリマ氏が聖火台に火をともす