【2026年W杯北中米大会アジア2次予選B組 日本1-0北朝鮮 ( 2024年3月21日 国立 )】
田中の良さが出た先制点だった。攻撃が持ち味のボランチで、積極的にペナルティーエリア内に入っていく。得点の場面は前に行く姿勢と、シュートのうまさから生まれたもので、守備的な位置取りをする遠藤とは違う特長が出た。前田の持ち味も忘れてはいけない。左サイドでボールを奪い切り、上田を起点にした先制点。粘り強くボールを追う前田がいたからこそ生まれたものだった。
勝ち点3を取れたことは大きかったが、課題は後半、北朝鮮にロングボールを使われて押し込まれたこと。谷口を入れて3バックに変更して守り切ったが、苦しい時間帯が続いた。もう一つの課題は追加点が取れなかったこと。後半に相手が前線からボールを奪いに来て、ボールをつなげなくなると、日本らしさが出せなくなった。守備を固められると個では崩せても、組織では崩せていない。前半の堂安がGKと1対1になった場面などで決めていれば、もう少し楽な展開になったはずだ。(城彰二=元日本代表FW・スポニチ本紙評論家)